【医師解説】子供のいびきは病院に連れて行ったほうがいい?

うちの子供、いびきをかいている。。これって普通なの?

大人みたいな大きい音のいびきをかいていても大丈夫?

病院に連れて行くべきかな、行ったらどんな治療になるのだろう、と心配になる方もいると思います。

そこでこの記事では、いびきの原因と対策を解説します。原因を知って病院に行くべきかどうかの判断材料にしましょう。 

 

いびきの原因って何?

いびきのメカニズム

いびきをかいている時、音の高さや大きさは、人によって違って聞こえますが、それが起きるメカニズムは皆一緒です。

息を吸ったり吐いたりする時、空気が通っていく道は気道と呼ばれます。この気道の粘膜は呼吸をすることによってブルブルと振動をします。この振動によって生じる音がいびきです。

気道が狭く細くなると、呼吸をした時の空気の抵抗が大きくなり、粘膜が振動しやすくなることで大きな音になります。

子供のいびきの原因

では子供の気道が睡眠時に狭くなってしまうのはどうしてでしょうか。原因として考えられていることを以下に記します。

  • 扁桃肥大:扁桃(咽頭扁桃(アデノイド)、口蓋扁桃など)とは喉にある、リンパ組織の集まった場所です。もともと子供の扁桃は大人のそれよりも大きい場合が一般的です。しかし、過度に大きい場合はいびきの原因につながります。
  • アレルギー性鼻炎:花粉やハウスダストなどによってアレルギー反応を起こすと、そのアレルギーの原因を排除しようと体が鼻水を排出します。鼻水が詰まって呼吸がしづらくなる、また、アレルギーによって鼻の中の粘膜がむくむことで鼻が詰まり、口での呼吸をせざるを得なくなることも、いびきを引き起こします。
  • 顎が小さい:人によって骨格の大きさは異なりますが、顎が小さく、舌のサイズがそれと比べて大きい場合、舌が顎の中に納まりません。よって寝ている間に喉の奥の方にあるスペースに舌が下がってしまい、気道が狭まってしまいます。
  • 肥満傾向:肥満によって喉の周りにも脂肪が沈着します。寝ている間に喉の筋肉がゆるむことでこの脂肪もたるみ、気道を狭めてしまいます。

その他日常生活の習慣

また、その他の日常生活における習慣がいびきの誘因になっていることがあるので気をつけて見てみましょう。

枕が合っていない

枕が首の高さと合っていなかったり、柔らかすぎる場合は適切な姿勢を保てず、気道の圧迫の原因になります。

鼻水を強く噛む

子供は鼻水の適切なかみ方を知らず、強くかみすぎてしまって粘膜に炎症を起こしてしますことがあります。鼻をかむときは片方の鼻ずつ息をそっと吐き出してかむ様に教えましょう。また、強く鼻をすすりすぎるのも同じように炎症の原因になります。すすらずに、出て来てしまった鼻水をティッシュで優しく拭き取りましょう。

 

いびき放っておくと危ない?

気道が狭くなり、いびきをかいている状態は、十分な酸素が供給されていない状態であるという事です。

寝ている間にその状態に陥る、大人の睡眠時無呼吸症候群は以前に比べると、だいぶ知られる様になって来ていますが、子供に対してのこの病気はまだ認知度が浅いのが現状です。

子供の場合は、呼吸が完全に止まる無呼吸だけでなく、いびきをかきながら呼吸をする低呼吸の状態であることが多いため、発見がされづらいのです。低呼吸により睡眠の質が低下すると、

  • 集中力の低下
  • 多動
  • イラつき
  • 成長ホルモンの分泌低下による心身の成長発育の遅れ

などにつながります。一時的ないびきならばそれほど気にしなくても大丈夫ですが、常にいびきをかく、いつも寝苦しそう、というときは注意が必要かもしれません。

また、 仰向けで寝ることによって気道が確保できず十分な呼吸ができない場合は自然と横向きや、うつ伏せで寝る姿勢をとる子供もいるので、いびきをかいていないから問題ないと安心せずに、よく観察してあげることが大切です。

 

病院で受診する判断目安は?

特に、いびきに加えて日中に眠気や倦怠感があり、学校生活や日常生活に悪影響を及ぼしている場合や、集中力が低下している場合は早めの受診が必要なので、その様なサインがないかをよく見てあげてください。

子供はのどや鼻の構造がもともと小さいため、健康に特別な問題がなくてもいびきをかくことはあります。

しかし、だからこそなかなか気づけない病気が潜んでいる場合もあるので、もし気になることがある場合はまずは、病院で相談をしましょう。

かかりつけの小児科があればまずはそこで相談し、必要があればそこから耳鼻咽喉科や呼吸器科などを紹介される場合もあります。

 

病院に行ったらどんな検査、治療?

病院にお子さんを連れて行くと決めたものの、一体どのような検査をするのかと心配になる方もいるでしょう。

病院に行くと、まずは問診を取られます。いびきの他にも、寝返りをなんども打つ、寝汗、夜尿はあるかなどについても聞かれることが予想されます。

また睡眠と覚醒のリズムの乱れ(昼寝からなかなか起きない、ベッドに入ってから入眠までに時間がかかるなど)や、日中の多動傾向についても聞かれるでしょう。

その他、以下の診察が行われる場合もあります。

喉の周りの組織の確認

エックス線検査

顔を横側から見た状態のレントゲン撮影を行うことで、アデノイドの増殖を確認することができます。また、これによって気道の大きさに対しての、アデノイドの肥大の程度を評価します。

ファイバースコープ検査

ファイバースコープもX線撮影と同じでアデノイドの肥大を直接カメラで見て確認します。直接鼻から細い管を入れて観察するので、子供によっては嫌がることもあります。

終夜ポリソムノグラフィー

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、正確な診断のために睡眠施設で一泊して終夜ポリソムのグラフィーによって寝ている間の呼吸や脳の状態を調べることがあります。

治療法

風邪や一時的な炎症でアデノイドが腫れている場合は、点鼻薬の使用や、炎症を抑える飲み薬などで対応する場合もあります。しかし、炎症は見られず、アデノイドが肥大している場合は手術で切除をするという選択肢をとることもあります。

一般的に、アデノイドは8歳前後をピークに小さくなることも多いので、年齢や成長の状態によっては経過観察をしているうちに落ち着くこともあります。

扁桃組織を取ってしまうと、お子さんの免疫機能に影響が出るのではないかと心配される方もいますが、2歳を越してからであれば、全身的な問題が起こる心配はありません。

 

お家でできるいびき対処法

気道の確保

仰向けで寝るといびきをかく場合は最初から横向きで寝かせるのも一つです。

また前述した様に、枕の高さの調整をしてあげることも解決になるかもしれません。成長に合わせて枕の高さや柔らかさを調整してあげましょう。

枕に仰向けになった状態で目線が真上よりもやや下に向くくらいがちょうどいいです。自分の足が見える、目線が頭より後ろの方に向かう場合は高さが合っていない可能性が高いです。

また、首と枕の下にスペースができない様に、肩も少しまくらに乗せるくらいが適切です。

         

鼻水を取り除いてから寝かせる

花粉症やアレルギー性鼻炎などにより鼻水が詰まっている場合は、鼻水を取り除いてから寝かせてあげましょう。

お風呂上がりの体が温まった状態で子供に鼻をかむ様に言ってあげる、または赤ちゃんの鼻を吸引機で吸ってあげるなどの対策をしましょう。    

 

まとめ

大人も子供も、いびきは呼吸がしづらく、酸素が十分送れなくなっていることの兆候です。

子供はそれによって睡眠の質が低下しても、日常生活への悪影響を自分で訴えることが困難です。よって、周りの大人がそれに気がついてあげる事が大切です。

早めにいびきの原因が解明できる様に、何かおかしいと思ったらただのいびきだから大丈夫だろうと思わずに病院で相談しましょう。

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