【年齢別】家庭科教員が伝授する早く寝かしつけるための方法4選 

子供が毎日寝かしつけしても寝てくれなくて、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

なかなか寝ない理由には、年齢に関係なく共通しているものもあれば、月齢や年齢別の成長や発達段階特有のものもあります。

そこで今回は、子供が寝ない理由や月齢・年齢別の早く寝かしつけするための方法を紹介します。

 

子供はどうして寝ないの? 

まずは月齢や年齢に関係なく、子供が寝ない理由として考えられることを紹介します。

一番の要因は生活リズムの乱れ

子供がなかなか寝ない原因としてまず考えられるのが、生活リズムの乱れです。

子供は月齢があがるにつれ、昼夜の区別がはっきりとつくようになり、朝明るくなったら目覚め、夜暗くなったら眠るという体内時計が形成されます。

ところが、その日によって生活リズムが不規則な子は、体内時計が定まっていないため、寝つきが悪くなったり朝なかなか起きられなかったりします。

朝日を浴びると体内時計がリセットされるので、夜に睡眠ホルモンがしっかり分泌され、寝つきが良くなります。生活リズムを整えるためには、まずは毎朝7時前に起こし、早起きの習慣を身に着けさせましょう。

寝かしつけを行うのは夜ですが、毎朝しっかり朝日を浴び、朝のうちから快適な眠りに導く準備をしてあげることが大切です。

親や兄弟の生活リズムが影響 

子供が寝ない原因の一つに、親や兄弟の生活リズムの影響も考えられます。

例えば、両親の仕事の都合で食事や入浴時間が遅くなりがちな場合や、兄弟と寝室が同室で上の子が遅くまで起きている場合などは、なかなか寝ずに夜型の生活リズムになりがちです。

日中や寝る前に興奮した

新しい場所に出かけたり、初めての経験などの行動は、子供の探求心や好奇心の形成に有効ですが、一方で興奮状態が持続し、夜になかなか寝付けなくなる場合があります。

また、寝る前に兄弟やパパと体を使って激しい遊びを行うと、興奮状態がなかなか冷めずに、寝つきが悪くなることもあります。

寝かしつけの30分前には、心睡眠に向けて身体が準備できるよう、心が落ち着いてリラックスできる環境を作ってあげましょう。

ブルーライトの光による睡眠リズムの乱れ

スマホやタブレット、テレビなどから発するブルーライトには、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を妨げ、子供がなかなか寝ない要因となります。

特に夕方以降にブルーライトの刺激を大量に浴びると、脳が興奮状態となり、睡眠と覚醒のリズムが乱れます。

厚生労働省発行の未就学児の睡眠指針によると、同じ光の量でも大人より子供の方が、光の刺激を強く感じやすいと言われているので注意しましょう。

寝かしつける前の時間帯は、なるべくブルーライトの刺激を子供に与えないようにしてください。

参照:厚生労働省未就学児の睡眠指針  光と情報通信機器
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf

 

家庭科教員が伝授する年齢別寝かしつけ法

「子供がなかなか寝てくれない」そんな悩みの解消に役立つ、月齢・年齢別の寝かしつけ方法を紹介します。

生後0~3ヶ月児(新生児期)

この時期は、昼夜問わずに2~3時間毎に頻繁に「寝る→起きる」を繰り返し、1日の大半、16~20時間程度を寝て過ごします。

①体の不快を取り除く

新生児期の赤ちゃんが寝ないで泣いたり、ぐずぐずしたりが続く時は、体に不快感があることにより、気持ちよく眠れないケースが多々あります。

  • 空腹
  • おむつの濡れ
  • 室温が高い
  • 衣服を着せすぎ、汗をかいている
  • 熱はないか
  • 授乳後のげっぷがうまくできていない

上記の要素に当てはまる点はないですか?これらの要素を取り除いてあげれば、赤ちゃんが快適に眠れるようになります。

②背中スイッチを押さない

新生児期の赤ちゃんは「背中にスイッチでもついているの?」と思うほど敏感で、布団に置いた瞬間、泣き出してしまうことがよくあります。これは新生児に成長段階で生じるモロー反射が原因です。

【モロー反射とは?】

体勢の変化や音・光などの刺激を受けた時に、自分の意志とは関係なく体が反応することをいいます。危険から身を守ったり、運動機能を発達させたりするために、赤ちゃんが生まれつき持っている機能です。生後4カ月くらいには自然に消失します。

モロー反射によって赤ちゃんが寝ない時は、全身をおくるみで包み、手足をほどよく固定してあげれば、布団に置いたときの刺激が赤ちゃんに伝わりにくく、安心して眠りにつきやすくなります。

おくるみを巻く時は、腕が動かないようにしっかり固定します。ただし、赤ちゃんが苦しくなりすぎないように注意しましょう。

参考資料:ママとママと赤ちゃんのぐっすり本 愛波 文 著

 

生後4~5か月児

生後4~5か月になると、メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンの分泌が増え、少しずつ昼夜の区別がつき始めます。

体の睡眠サイクルが整ってくる大切な時期なので、この時期の寝かしつけの習慣によっては、夜泣きやなかなか寝ないなどの状況に陥る場合もあります。

①寝かしつけの30分前までに授乳を

毎日寝かしつけの30分前までには、入浴や着替え、歯磨きなど寝る前の基本的な準備を済ませ、部屋の明かりを小さくし、たっぷり授乳してあげましょう。

この時、授乳しながら赤ちゃんが寝ないように注意します。授乳=睡眠と赤ちゃんにインプットされると、授乳しないとなかなか寝ないようになるからです。

授乳後、目が開いている状態で布団やベッドに置き、優しく声掛けをする、背中をトントンする、手を握ってあげるなどの方法で安心感を与えてあげましょう。

6カ月~1歳児

生後6カ月を過ぎてくると、お昼寝の回数が午前と午後2回の子もいれば、夕寝をする子もいて睡眠時間に個人差が出てきます。ただし、夜はまとめて眠れるようになってきます。

① 寝かしつけ前にスキンシップを

この時期は脳の発達が著しく、日中の興奮が原因で眠りが浅くなり夜中目覚めたり、不安感を覚えたりして夜泣きする子も増えてきます。

日中興奮するような出来事が多かった日は、寝る前に意識してスキンシップを取り、興奮した気持ちを静め、落ち着いた眠りにつけるようサポートしてあげましょう。

②乳歯の生え始めの不快感にも注意

この時期は乳歯が徐々に生えてくるので、歯がムズムズしたり歯茎がかゆかったりして、なかなか寝付けない子も多いです。

歯固めを使ったり、歯茎マッサージを行ったりなどの乳歯ケアを念入りに行い、不快感を取り除いてあげましょう。

 

1歳~2歳児

1歳から2歳の子供は動きが活発になり日中の活動時間が増えるので、午後のお昼寝の回数と時間が徐々に減ってきます。

①お昼寝の時間とタイミングに注意

1歳~2歳の子は、日中の体の疲れを取るため昼寝が必要ですが、昼寝の時間とタイミングによっては、夜の寝かしつけに悪影響を及ぼす場合があります。

昼寝の時間が長すぎたり夕方遅い時間まで昼寝してしまうと、寝つきが悪くなったり眠くなる時間が遅くなるなど、夜の睡眠に悪影響を及ぼす原因となります。

午前中日光の光をたっぷり浴び、昼食後なるべく早めの時間帯に1時間半~2時間程度のお昼寝をするのが理想です。

昼寝は長くても2時間まで。長すぎる場合は、優しく声をかけて起こしてあげましょう。また、夜17時以降の昼寝は、寝つきが悪くなる要因となるので、できるだけ避けましょう。

参考資料:赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド 清水悦子著

②寝かしつけルーティーンでイヤイヤ期を乗り切る

2歳頃になると、自我や自己主張の芽生えによるイヤイヤ期に突入します。

頭では夜は寝るものと理解していても、「まだ遊びたい」「まだ寝たくない」などの気持ちの方が強く、なかなか寝てくれない子も出てきます。

この時期の寝かしつけのコツは、寝る前の流れをルーティーン化することです。

晩御飯を食べた後の入浴・歯磨き・着替え・就寝時刻などの流れを決め、毎日同じように繰り返すことで、寝る前の順番がルール化され寝かしつけが楽になります。

寝かしつけのルーティーンでおすすめなのが、絵本の読み聞かせです。親の声を聞くことで子供の心が落ち着き、お話を聞くことで頭も使うので、程よい疲労感で心地よい眠りにつながります。ただし、絵本の内容は子供が興奮するような怖い内容などは避けましょう。

 

注意すること

睡眠障害に注意

生活習慣を見直したり睡眠しやすい環境を整えても子供が寝ない場合、睡眠障害の可能性も視野に入れる必要があります。

睡眠時無呼吸症候群

眠りに入るといったん呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、乳幼児全体の2%に発症する病気で、症状が悪化すると集中力や学習能力の低下を招きます。

  • 眠りに入ると呼吸が止まる
  • 夜中に体の異常な動きがみられる
  • 日中の眠気が異常に強い

などの症状が1カ月以上の長期にわたって続く場合は、睡眠障害を疑い、かかりつけ医への受診をおすすめします。

こちらの記事で詳しく解説しています。

その他の考えられる睡眠障害

ムズムズ脚症候群 夜、足が痛痒く、じっとしていられないため、睡眠が浅くなる
夢遊病 睡眠中、無意識のうちに起きだしたり歩き回ったりする
夜驚症(やきょうしょう) 夜中に突然悲鳴や泣き声を上げる、急に起き上がる

 

夜驚症の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。

 

また、子供に多いアトピー性皮膚炎は布団に入り温かくなるとかゆみが強まるため、そのまま放置すれば、夜の睡眠を妨げる要因となるので皮膚科で適切な治療を受けましょう。

参照:厚生労働省 eヘルスネット 子どもの睡眠
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-007.html

 

まとめ

子供は成長するにつれ徐々に昼夜の区別ができ、睡眠リズムが整うため、まとまって寝るようになります。

毎日の寝かしつけに苦戦し、なかなか寝ない子供に悩んでいる方は、まずは生活習慣を見直し、今回ご紹介した年齢別の寝かしつけ方法を是非取り入れてみてください。

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