【医師解説】赤ちゃんの睡眠リズムの作り方と長く寝かせるためのコツとは?

なかなか夜に寝てくれず、気がつけば昼夜逆転している赤ちゃんもいます。

そんな夜行性の赤ちゃんと生活するお父さんやお母さんの生活への負担はなかなか大きいものです。

一体どうやったら夜に寝てくれるようになるのか、睡眠リズムってどうやって作ればいいのか、そして夜に長く寝てくれるにはどうすればいいのかという悩みを持つ方は多くいます。

昼夜の区別のついた睡眠リズムを赤ちゃんに覚えてもらう方法を一緒に考えていきましょう。

 

赤ちゃんの睡眠リズムはいつから生まれるの?

生まれたばかりの赤ちゃんには夜と昼の区別がありません。いつ頃からそれを反映させた生活ができてくるかには個人差はありますが、平均的には以下のような月齢で段々と睡眠のリズムが出来てきます。

  • 生後1ヶ月まで:昼夜関係なく寝たいときに寝る。一回ごとの寝る時間もバラバラで1日のうち多くの時間を寝て過ごす。 
  • 生後1ヶ月から2ヶ月頃:2−4時間おきに目を覚ますが、ミルクを飲むとまた眠る。 
  • 生後3から4ヶ月頃:昼夜の区別がついてきて夜より昼に長く寝るようになるが、まだ夜中のミルクが必要なので夜にも起きる。 
  • 生後9から12ヶ月:夜にまとまって眠るようになり、大人に近い睡眠リズムでの生活が可能になる。

月齢別の睡眠時間、睡眠リズムのより詳しい解説はこちらの記事を参考にしてください。

特に生後1ヶ月以内の新生児は、数時間おきに起きてはミルクを飲んでまた寝る、というサイクルを繰り返します。この時期はお父さんお母さんの寝不足も続いて辛い時期でもありますが、ミルクの回数を多く取る必要もあるので、夜も一緒に起きるしかありません。この頃の赤ちゃんには昼夜という概念が存在しないため、お父さんお母さんと体のリズムが合わなくて当たり前と考えるようにしましょう。

 

夜行性にならないための睡眠リズムの整え方

生後1ヶ月を超えたら、昼夜を覚えさせる工夫を開始しましょう。睡眠リズムを整えるには起きているときの生活の仕方が大事になってきます。

そのためには、脳内にある睡眠と覚醒に影響を及ぼす物質を作れるように環境つくりをすることが大切です。以下のことに注意して生後2〜3ヶ月頃からこのリズムを意識して昼夜を覚えさせてあげるようにしましょう。

朝は日光浴

朝に陽を浴びることで、セロトニンを合成させましょう。セロトニンは脳を日中活発に働かせる神経伝達物質の1つですが、夜に眠りにつくためのメラトニンを作る材料でもあります。

新生児は外で散歩をすることが難しいので、カーテンを開けて日差しを入れてあげるだけでも目から入った光の情報をもとにセロトニンを分泌出来ます。

夜は光から遠ざける

赤ちゃんが寝る1〜2時間前から部屋の明かりを暗めにしてあげましょう。これによりメラトニンの合成を促します。

太陽の光だけではなく人工的な光も影響を及ぼすため、テレビやスマホはこの時間は控えさせましょう。部屋の明るさを暗くするためには間接照明を使う、部屋のライトをいくつかだけにするなどの工夫ができます。

日中の昼寝は明るいところで

生後3ヶ月までの赤ちゃんは、今が昼であることを覚えさせるために、真っ暗な部屋ではなく明るい部屋で昼寝をさせます。

ただし生後3ヶ月を過ぎ、ある程度昼夜の区別がつくようになってきたら(昼より夜に長く睡眠が取れるようになってきたら)しっかりとした眠りにつけるよう、暗く静かな部屋で昼寝をするように習慣を変えていきましょう。

不必要な授乳はしない

赤ちゃんはお腹が空いていなくても、夜に目が覚めた時にミルクを欲しがり夜泣きをすることがあります。

授乳により再び眠りに入れるからといって、欲しがるままに夜中に授乳を続けることで、赤ちゃんは泣けばミルクをもらえると学習してしまいます。

これは再び自分で眠りにつく力をつける妨げになってしまうので、赤ちゃんの睡眠不足になる要因にも。夜間の授乳をしなくても良い時期になったら、夜だけ断乳を行うことも考えましょう。

夜間の授乳をいつやめるべきなのかという明確な時期は決まっていません。朝まで空腹にならない量を飲めるようになるまで、と考えましょう。7〜8ヶ月頃になると、寝る前の授乳で朝までお腹がすかない子が多くなります。

 

昼夜逆転してしまった際の戻し方

上記では夜行性の赤ちゃんにならないための予防、睡眠リズムの整え方を紹介しましたが、もしすでに昼夜が逆転してしまっていて悩んでいる方は、以下のことも振り返ってみましょう。

1.昼間はなるべく人気のある環境を

昼間は光を浴びるだけでなく、なるべく生活音や人の声がする環境に赤ちゃんをおきます。

過剰な興奮を避けるため、うるさい環境を作る必要はありませんが、テレビやラジオの音を小さく流しておくのも良いでしょう。反対に夜は静かな落ち着いた場所で過ごせるような環境を整えてあげ、昼と夜のメリハリを作ってあげましょう。

2.毎日同じ時間に寝て、起きる

体のリズムを整えてあげるために、同じ時間に寝起きすることを心がけましょう。

大人の帰宅時間が遅かったりすると、ついついそれに合わせて生活をさせがちですが、子供と大人の生活リズムは同じではありません。大人の都合に合わせて生活させないようにしましょう。

何時に布団に入り何時に起きればいいという明確な基準はありませんが、子供の年齢に合わせて必要な睡眠時間をしっかり確保できる時間に眠りにつけるようにしてあげてください。 

3.昼寝を減らさない

夜眠らないからといって、夕方以降はお昼寝させないようにすると、赤ちゃんが睡眠不足になってします。睡眠不足になると、コルチゾールというホルモンの分泌に繋がり、体が興奮した状態になります。すると余計に眠れなくなるという悪循環に陥ります。

赤ちゃんには昼寝が必要です。昼寝のせいで夜に眠れないように感じるのでしたら、昼寝の目安時間を参考にし、長く寝過ぎているときは途中で起こしてあげましょう。

お昼寝の目安時間はこちらの記事でチェックしてください。

 

夜に連続して寝ない理由と対策

夜になかなか連続して寝てくれない赤ちゃんには、何か理由があることがあります。その理由を探ってあげましょう。

新生児

不快感:オムツが濡れている、ウンチが出なくてお腹が苦しい、ゲップが出なくてくるしい、汗を書いて気持ち悪いなど

体調不良:発熱、鼻づまり

(鼻づまりに関する記事はこちらhttps://yokunel.com/kiso01/

昼間の刺激が強かった:日中の強い刺激(テレビの音が大きい、明る過ぎた、食べ物の匂いが強かった)などで興奮状態になる

4ヶ月過ぎ

昼夜の区別がついてきている時期のはずなのに眠れずに泣いている赤ちゃん。4ヶ月頃から始まるこれは、いわゆる夜泣きと言われるものです。

夜泣きの原因についてはこちらの記事(https://yokunel.com/yonaki01/ )にて詳しく解説しています。

9ヶ月過ぎ

生後9ヶ月をすぎると個人差はあるものの、かなり長い時間、夜に寝まとまって眠ることが可能になってきます。 今まで眠るのが上手だった赤ちゃんが急に眠らなくなるのは、睡眠退行の可能性もあります。

睡眠退行の場合は、一時的なものなので、その時期を過ぎればまたよく眠ってくれるようになります。

 

まとまって眠れない赤ちゃんを長く寝かせるための対策

1.ねんねトレーニング(ネントレ )をする

赤ちゃんが途中で目を覚ましてしまった場合でも、自分で眠りに戻れるように一人で寝ることを覚えさせましょう。

2.必要量のミルクを与える

7〜8ヶ月頃には離乳食も開始し、ミルクと合わせて日中に必要な量の食事ができるようになります。しっかり食べさせて、夜中にお腹をすかせないようにしましょう。また先述したように、この時期に夜に起きても授乳をしない夜だけ断乳もおすすめです。

3.朝寝を控える

1歳を過ぎたら朝寝をやめてもいい時期です。午前中に体をいっぱい動かすことで、夜に自然に眠りにつける生活リズムがつきやすくなります。7〜9ヶ月の赤ちゃんで夜寝るのが苦手な赤ちゃんは、朝寝が長い場合には起こしてあげましょう。

 

まとめ

まずは夜行性の赤ちゃんを作らないことを日中から心がけましょう。

睡眠リズムをしっかり整えてあげることで、赤ちゃん、大人もお互いに快適な生活を送れます。

大人の生活リズムの乱れも自然と赤ちゃんに影響するので、まずは自分のリズムもルーティーン化することを忘れないでください。

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