夜泣きは、2歳や3歳になって突然始まることがあります。また、乳児期に終わったはずの夜泣きが、2歳や3歳で再発する場合もありますよね。
原因としてチェックして頂きたいポイント&夜泣きに関する研究で高い成果をあげている対処法を、保育士が詳しく解説していきます!
2歳・3歳の夜泣きが辛い!いつまで続くの?
2歳や3際になった我が子が夜泣きを始めると、驚いてしまいますよね。激しい夜泣きが毎日続く場合は、「いつまで続くの?」とぐったりしているママやパパも多いことと思います。
人間は体内時計を整える機能が未発達のまま生まれます。生後1ヶ月頃から急速に発達していき、4歳ころを目安に、就寝から起床まで続けて眠れるようになると言われています。
*睡眠リズムが整っていく段階などを、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
2歳〜3歳ころの夜泣きのお悩みを3パターンに分けてご紹介するので、夜泣きの何が問題だと感じているのかを、明確にしてみましょう!
単純に早く終わってほしい
2歳〜3歳になると体重は10キロ以上。声は大きく、力は強くなっています。夜中に抱き上げてあやすのが辛いので、誰もが早く終わってほしいと感じますよね。
日中の生活が心配
2歳〜3歳は幼稚園・保育園入園など、社会生活が始まるお子さんも多いと思います。親としては「夜泣きが原因で朝に起きれないのでは?」、「日中、元気に過ごせないのでは?」などと不安を感じます。
病気や障害が心配
暴れる、叫ぶなど異常な泣き方の場合は、脳の病気や自閉症などの障害も頭をよぎります。専門家に相談するべきかを悩む方が、多くいらっしゃいます。
まずは夜泣きの原因を知るために、次章でご紹介するチェックポイントと、夜泣きの様子を照らし合わせてみて下さい!
2歳・3歳で夜泣きが始まった原因を知るためのチェックポイント
夜泣きが起きる原因は、人それぞれです。明確な原因を突き止めるのは難しいですが、まずは家庭で解決できるのか、専門家に相談するべきなのかを、考えてみるのがおすすめです。
環境変化など一般的な原因をチェック
「2歳児のころはイヤイヤ期、3歳前になってやっと落ち着いたと安心していると、3歳半を過ぎたころから反抗期の兆候」というように、2歳〜3歳は子どもの様子が目まぐるしく変化します。
ママが子どものストレスを察して対応するだけで、夜泣きがピタッと収まったなんていう場合もあるので、ぜひ日常生活に変化が無かったかを丁寧に見直してみて下さい。
子供の様子を観察!睡眠障害の可能性をチェック
「何らかの病気や障害があるのでは?」と不安な場合は、夜泣きの原因になる可能性がある病気をチェックしてみましょう!”子どもが寝ている様子”や”夜泣きの様子”を観察するポイントもご紹介します。
不眠症
夜泣きはもちろん、眠るまでの時間が長過ぎるなどの問題が1ヶ月以上続いていて、日中の生活にも”元気がない”、”食欲が無い”などの問題が出ている
睡眠関連呼吸障害
いびきがひどい、寝ている途中に声もなく暴れるなどの様子があったら、疑ってみて下さい。肥満の方に起こりやすい病気です。
むずむず脚症候群
脚がむずむず、ピリピリ、痛いなどの症状が、寝ようとして静かに過ごしているときに出やすい病気です。
睡眠に関する病気や障害を疑う場合は、日中の様子もあわせて観察するのがおすすめです。下記のような様子で過ごしている場合は、医師に相談しましょう!
- 寝起きが極端に悪い
- 日中にイライラしている
- 日中も眠そう
- 休みの日は遅くまで寝ている
- 頭が痛い、お腹が痛いと訴えることが多い
パニックのような夜泣きなら夜驚症の可能性をチェック
夜中に叫ぶ、暴れるなどの症状なら、夜驚症の可能性があります。
夜驚症に似ている病気で、なるべく早く医師に相談して頂きたい場合があるので、ご紹介します。
てんかん
夜驚症のような症状が1日に何度も起きる場合は、てんかんを疑ってみて下さい。
夢遊病
症状は、夜中に起きて無意識で動き回るなどです。外に出て事故に遭う事例もあります。
2歳・3歳の夜泣きで毎日辛い!夜泣き研究などから対処法を紹介
日本では「夜泣きは終わるのを待つしか無い」という風潮がありますが、欧米では夜泣きを「行動性不眠症」と定義して、行動療法などを使った研究が進められています。実際に高い成果を上げている対処法もあるので、ご紹介します。
【参考元:日本小児保健学会教育講演「「ママと赤ちゃんが夜よく眠れるように」妊娠中からの親教育】
夜泣き研究から分かった効果が高い対処法
「行動性不眠症」に使われる行動療法(対処法)は、4つです。アメリカの睡眠医学会で、94%が効果アリと報告されています!
1.消去法
持病があるなど特別な事情が無い限り、基本的には事前の安全確認をしておき、一切手を出さない方法です。親の気持ちとして抵抗があるので実行できる方が少ないのですが、4つの中で一番高い効果が実証されています。
2.段階的消去法
夜泣きが始まって5分〜15分待った後に安全確認をしに行き、抱っこなどはせずに1〜2分で立ち去ります。少しずつ安全確認をしに行くまでの時間をのばしていきます。
効果が出るまでに時間がかかることがわかっています。
3.積極的儀式
寝る前に子どもが楽しみになるような儀式(絵本の読み聞かせなど)を決め、必ず行う方法です。儀式が終わっても寝ない場合は一旦布団から出て、眠くなるまで待ちます。寝るのが遅くなっても、起きる時間と昼寝の時間を一定にするのがポイントです。
次の日は就寝時間を15分〜30分早めて同じように試していきましょう。
4.計画的覚醒
夜泣きが始まる時間を確認しておき、泣き始める前に起こしてなだめる方法です。実証実験データが少なくて、効果が出るまでに時間がかかると言われています。
4つの中で、「これならできそう」という方法があると思います。何より大切なのは親の一貫した態度とされているので覚悟がいりますが、毎日続けて頂けると、高い確率で効果が出ます!
保育士がおすすめする対処法
住環境などによってご紹介したような行動療法が難しい場合は、保育士の経験から、夜泣きが始まったら完全に起こしてしまうのがおすすめです。
ただし起きて泣き止んだら、すぐに「〇〇をやったらママと一緒に寝ようね」、「時計の長い針がココにきたら一緒にお布団に行こうね」など、先の行動を決めて話しておきましょう。
起きている間は、飲食など基本的に自由に過ごしてOKなのですが、興奮するような遊び、TVを視る、動画コンテンツを視るなどは、避けるようおすすめします。
子供の様子がおかしい!不安なときは医師に相談
疾病や障害の疑いが消えない場合は、睡眠外来やメンタルクリニックなど、子どもの様子に合わせて専門の科をの受診なさって下さい。信頼できる小児科医がいれば、専門家を紹介してもらうのもいいですね。
また、「医師に夜泣きの様子を上手く伝えられないかも...」など不安があって受診に踏み出せない場合は、電話相談などを利用するのも1つの手です。電話相談窓口の例をご紹介します。
自治体の窓口(電話相談・対面相談)
自治体には保健師のような専門家が配置されています。相談課がわからない場合は、総合受付に電話をして「子供の夜泣きについて相談したい」と話してみて下さい。
#8000(電話相談)
急な病気の疑いがある場合の相談窓口です。小児科医や看護師さんが対応してくれます。
加入している医療保険などに付随のメディカル相談窓口(電話相談 など)
相談するだけではなく、病院紹介サービスをしている会社もあります。
医師に直接質問できるサイト(オンライン相談)
インターネット上には、会員登録をすれば無料で医師に相談ができるサイトがあります。同じようなお悩みと回答も閲覧できるので、参考になりますよ。
まとめ
2歳〜3歳ころの夜泣きについて、原因や具体的な対処法をご紹介してきました。
「夜泣きが終わるまで耐えるしか無いの?」とストレスを抱えていたママ・パパにとっては、できることがありそうと感じる対処法もあったと思います。
家庭の中だけで悩まずに、ぜひあらゆる手を使ってみて下さい。