家庭科教員解説!赤ちゃんとの添い寝はいつから?メリット・デメリットも

添い寝には赤ちゃんが安心してよく寝る、夜間の授乳が楽に行える、などのメリットがありますが、やり方を間違えると死亡事故につながる危険もあるため、安全に十分配慮して行うことが大切です。

そこで今回は、添い寝の方法や、メリット・デメリット・注意点など、新生児との添い寝に関するママの不安解消に役立つ情報を、わかりやすくまとめてみました。

 

新生児の添い寝はいつから? 

新生児(生後28日未満)の添い寝に関しては、色々な見解がありますが、安全性への配慮をしっかりしていれば、生後すぐに開始できます。

新生児からの添い寝は、ママと赤ちゃんが常にスキンシップがとれ、赤ちゃんに安心感を与えます。一方で、添い寝による窒息事故や、ベッドからの転落事故などの悲しい事故も報告されており、添い寝をするべきか悩んでいるママもいるのではないでしょうか。

添い寝による事故は、事前の安全対策を十分に行えば、未然に防げます。

 

添い寝の方法を解説

添い寝の方法は一つではなく、色々な方法があります。毎日色々試してみて、ママと赤ちゃんにぴったり合った方法を取り入れてみましょう。

抱っこから添い寝に自然に移行

添い寝をする前に、抱っこをすれば、ママと密着することによって、赤ちゃんにお腹の中にいる時と同じような安心感を与えます。特に縦抱っこは、ママの心音が耳に入るので、癒し効果が高いと言われています。

赤ちゃんが抱っこで自然な眠りについたら、そのままそっとベッドに移行します。この時、腕をベッドに置いた瞬間「背中スイッチ」が入り、赤ちゃんが目覚めて泣き出してしまい、苦戦するママも多いのではないでしょうか。

せっかく眠った赤ちゃんの睡眠を妨げないために、前開きの抱っこ紐で寝かしつけ、そのままそっとベッドへ移動するなど、衝撃を最小限に抑える工夫をしてみましょう。

添い寝に腕枕をプラス

赤ちゃんを抱っこから布団に移動するとき、どうしても泣いてしまう場合におすすめなのが腕枕です。

腕枕をスタートする時期は、赤ちゃんの首が座った頃を目安にスタートするのがおすすめです。ママの腕で赤ちゃんの口や鼻をふさいでしまわないよう十分注意して行いましょう。

やり方は簡単で、赤ちゃんをベッドや布団の上に寝せる時、首を支えている手をそのままにして、ママが隣で添い寝します。

腕枕で添い寝におすすめの便利グッズ

赤ちゃんに腕枕をするときに便利なのが、東京西川の寝かしつけ枕「ママ楽ね」。ママの腕にマジックテープで枕を巻き付けて腕枕をし、赤ちゃんが眠ったらそっとママの手を抜くことで、振動による赤ちゃんの目覚めが防げます。授乳枕としても使えます。赤ちゃんの背中スイッチにお悩みの方は、是非チェックしてみてください。

添い乳しながら

添い寝をしながらの添い乳は、赤ちゃんの横に寝ながら、楽な姿勢で授乳が行えます。

添い乳をするときは、飲ませたい側のおっぱいを下にして赤ちゃんと向かい合い、赤ちゃんに腕枕をし、背中を引き寄せながら、赤ちゃんが乳首を加えやすい位置に導いてあげましょう。

注意したいのが夜間の添い乳です。授乳をしながらママが寝てしまい、赤ちゃんに覆いかぶさることで、窒息死を引き起こすリスクがあるからです。体調が悪い時や、疲れがひどい時の添い乳は避けましょう。

左右のおっぱいを入れ替える時は、ママが一度上向きに寝てから赤ちゃんを上に乗せ、そのまま反対側に向きを変えるなど、赤ちゃんに覆いかぶさらない工夫をし、窒息リスクを防ぎましょう。

授乳位置の調整に、バスタオルを丸めたものなどを使う場合は、使用後のタオルをそのままにしておくと、タオルが赤ちゃんの首に巻きつき、窒息するリスクがあるため、使用後のタオルは必ず別の場所に移動してください。

 

添い寝のメリットとデメリット

添い寝のメリット

赤ちゃんに安心感を与える

添い寝は、ママがすぐ近くにいることによる安心感を与えるので、赤ちゃんがよく寝るために有効です。赤ちゃんの様子を近くで見守ることができ、体調面の異変に気が付きやすい点もメリットといえます。

また、赤ちゃんとスキンシップを図ることはママの精神安定にもつながり、近年増加している産後うつの予防にも。

夜間授乳が楽

添い寝は、2~3時間おきの頻回な授乳が必要な新生児期でも、起き上がらずに楽に授乳が行える点もメリットです。

ただし添い乳がクセになると、添い乳しなければ眠れなくなり、のちに断乳に苦労する場合もあるので、クセにならない程度に行いましょう。

添い寝のデメリット 

窒息死のリスク

赤ちゃんの事故死の要因で、最も多いのが就寝時の窒息事故です。消費者庁が平成28年公開したデータによると、平成22~26年の5年間に、就寝時の窒息死事故が160件も起こっています。

【就寝時の窒息死事故の原因】

  • 1位:顔がマットレスなどに埋まる
  • 2位:掛け布団などの寝具が顔を覆う・首に巻きつく
  • 3位:ベッドと壁の隙間に挟まる
  • 4位:ベッドから転落
  • 5位:家族の体による圧迫

どれも事前の安全対策によって、リスクが軽減できるものばかりです。赤ちゃんを迎えるにあたって、安全確認は十分すぎるくらい行って、かけがえのないわが子の命を守りましょう。

参照:消費者庁 0歳時の就寝時の窒息死に御注意ください!
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf

転落のリスク

赤ちゃんの就寝時の転落事故に関しても、消費者庁が注意喚起しています。

平成29年公開のデータによると、赤ちゃんの転落事故の中で圧倒的に多いのが、大人用ベッドからの転落事故。平成22年~29年までの間に、0~1歳児で564件も発生しています。

大人用のベッドは高さがあるので、赤ちゃんが万が一転落すれば、命に関わる大惨事になりかねません。特に、寝返りが始まる生後5か月ごろからの時期は、注意が必要です。

参照:消費者庁:0~1歳時の大人用ベッドからの転落事故にご注意ください
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171108_0001.pdf

 

赤ちゃんに添い寝する時の注意点

赤ちゃんを危険から守るため、添い寝の時に注意して欲しい事項を紹介します。

掛け布団は「ベビー用」を

赤ちゃんにとって大人用の掛け布団は重く、顔にかかることで呼吸を妨げ、窒息するリスクがあります。ベビー用の小さくて軽い掛け布団を選びましょう。

また、体温調整機能が未発達の赤ちゃんは、大人と同じ布団の量では暑すぎ、熱がこもって乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症リスクを高めるおそれがあるので注意が必要。

定期的に赤ちゃんの様子を確認し、汗をかいている場合は、上掛けの枚数を減らすなど、温度調整してあげましょう。

柔らかすぎる寝具はNG

敷布団やマットレスが柔らかすぎると、うつぶせになった時赤ちゃんが沈み込み、口がふさがれることで、窒息するリスクがあります。なるべく固めのものを用意し、窒息事故を予防しましょう。

ベッドの安全性をしっかりチェック

大人用のベッドでの添い寝は、高さがあるので転落のリスクがあり、ママやパパの寝返りによる窒息事故のリスクもあります。できれば、赤ちゃんは大人用ではなくベビーベッドに寝かせるのが理想です。

住宅事情でベビーベッドの設置が難しく、大人用ベッドで添い寝する家庭もあるかと思います。そんな時は

  • ベッドに置いて使えるベッドインベッドを使う
  • 転落防止のベッドガードを設置
  • 寝かしつけた後、一緒には眠らず、赤ちゃんをベビー布団に移動する
  • ベッドの片側を壁にぴったりつけ、隙間への落下を防ぐ
  • 赤ちゃんを壁側に寝かせる
  • 赤ちゃんだけをベッドに残さない

など、安全対策をできるだけしっかり行いましょう。

幼児用のベッドガードは、隙間に赤ちゃんが挟まって、抜け出せずに窒息する危険があります。

ベッドガードに赤ちゃんが挟まれることによる死亡事故も、平成29年度には2件発生しています。使用前に、必ず対象月齢を確認し、正しい設置方法で使用してください。

ママも一緒に熟睡しない

新生児期に添い寝をする時、気を付けてほしいのが「ママが一緒に寝てしまわないこと」です。

産後まだ体力が回復していない時期に、2~3時間間隔の授乳が一日中続くので、ママは寝不足に陥りがち。気が付いたら赤ちゃんと一緒にウトウト・・なんてことも少なくありません。

新生児期の添い寝の事故で多いのが、ママが寝返りを打った時に、無意識に赤ちゃんを潰してしまい、窒息死させてしまうケースです。

体力的に不安な方は、添い寝のスタート時期を少し遅らせるか、赤ちゃんの安全がしっかり確保できる、添い寝用ベビーベッドを用意しておけば安心です。

 

まとめ

添い寝は、赤ちゃんが安心感を得てよく寝る、ママの授乳時の体への負担を軽減するなどのメリットがありますが、やり方を間違えると、窒息や転落などの死亡事故を引き起こすリスクがあります。

添い寝をするときは、安全への配慮を十分に行い、体調が悪い時は添い寝を避けるなど、赤ちゃんにとって最良の状態で行いましょう。

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