ネントレでサイレントベビーになるの?本質を理解して不安を解消!

「ネントレとサイレントベビーの関係は?」

「ネントレで赤ちゃんが愛情不足にならないか、心配!」

ネントレのスタートに不安を抱く声が多く聞かれます。

この記事では、育児情報サイトで話題のサイレントベビーとはなにか、また、ネントレがその原因となるのかをまとめました。

おうちの方が前向きな気持ちでネントレに取り組むための知識を届けます。

はじめに サイレントベビーは医学用語ではない

「あなたはサイレントベビーです」という具体的な診断はおりません。よほど劣悪な状況でない限り、親子の信頼感の育ちが阻害されることはありませんので、安心してください。

サイレントベビーは2020年現在から30年前に作られた言葉です。現在の主流である家族が協力し合う育児とは、対照的に語られる点が多く見られます。お母さんお父さんと子ども、家族全員が笑顔で過ごせるネントレを総合的に考える判断材料として、参考にしてください。

サイレントベビーとは?

1990年に小児科医の柳澤慧氏著書「いま赤ちゃんが危ない サイレント・ベビーからの警告」の中で発表した「静かで寡黙、表情の少ない赤ちゃん」の呼称です。

サイレントベビーは喃語(なんご)が少なく、あまり笑ったり泣いたりしません。放っておくと、ミルクを欲しがらないで一人で遊んでいる赤ちゃんは、サイレントベビーの注意信号とされています。

著者自身は「サイレントベビーの原因を断定できない」としながらも、解決方法をひとつの方向性として示しています。では、この赤ちゃんが問題視された1990年当時には、どのように説明されていたのでしょうか?

喃語(なんご)とは、乳児が発する意味のない声。「あっあっ」「えっえっ」「あうー」「おぉー」など。

サイレントベビーの原因

家庭の中で欲求に応えてもらえなかった赤ちゃんは、だんだんと要求をしなくなります。著者の主張では満たされない精神状態が慢性的に続くことで、健全な感情が持てなくなるといいます。

赤ちゃんは胎児期からお母さんとコミュニケーションを取りたがっているとし、母親が育児に手を抜くことを良しとしません。

主な原因として、「抱っこして欲しがる子どもを抱かない」「赤ちゃんに話しかけない」などが挙げられています。

<その他の危険をはらんだ行為>

  • 簡単で新しい育児文化の利用 (便利品である紙オムツやフォローアップミルクなど)
  • うつぶせ保育
  • 保育施設の利用

サイレントベビーにしないために

重要とされるのは、お母さんお父さんが語りかけ、それに対して赤ちゃんが体を動かして反応する「エントレインメント」です。

さらに、親の愛情と理解のある態度が赤ちゃんの人格形成を助けると言われており、お母さんお父さんに求められるのは、赤ちゃんの要求から発するサインや変化への的確な対応です。

その際、赤ちゃんに必ず言葉がけをして、コミュニケーションをとります。

高めの声と積極的な語りかけで、より高い効果が期待できます。お互いに声を出し合い、赤ちゃんの笑顔には必ず笑顔で答えるようにしましょう。

<その他の対策>

  • 胎児の頃から、愛情や精神的な支援を行う
  • スキンシップのために母乳育児にする
  • 手作りの離乳食を与える
  • 保育施設には必ずお母さんが迎えに行き、抱っこする
  • お母さんが勤務に出る時は、テープレコーダーやビデオにお母さんの姿や声を録音して再生する

サイレントベビーの将来

新生児期と乳児期に母子相互作用が十分に行われないことで、子どもの発育や社会適応性に障害が現れる「愛情遮断症候群について述べています。

サイレントベビーが将来的に、周囲に対しての無関心や無気力、登校拒否、引きこもり、言葉の遅れを発症し、異常行動を起こす危険があるという見解を示しています。

※養育者による愛情あふれるケアを受ける機会を奪われた乳幼児に見られる発達の遅れなど

なぜ、ネントレがサイレントベビーの原因と言われるの?

ネントレは、赤ちゃんのすべての欲求に応えられない!

正しい睡眠の習慣付けはトイレトレーニングや箸の練習と同じく、生涯子どもの財産となります。しかし、その習得のためには家族全員の協力し、赤ちゃん自身にも頑張ってもらわなくてはなりません。

ネントレでは大人が授乳時間や睡眠時間をスケジュール化し、習慣として根気強く繰り返します。

つまり、赤ちゃんがおっぱいを飲みたい時や、遊んで欲しい時に我慢してもらわなくてはなりません。

また、一般的なネントレの開始は1歳付近です。

生後1年は脳にとって著しい発達をする時期なので、その期間に子どもにさみしい思いをさせることが脳へ悪影響があるのではないかと、不安視する声があるのです。

放置型ネントレはサイレントベビーの原因?

サイレントベビーの原因として、最も不安視されるネントレ「Cry it outメソッド」について紹介します。

Cry it outメソッドは赤ちゃんを就寝時に一人にし、泣いても構わず放っておきます。

アメリカやオーストラリアでは主流のやり方であり、日本では「泣かせるネントレ」と呼ばれています。成功すれば、赤ちゃんが自分で寝付き、さらに夜間に目が覚めた時も自力で眠りへ戻ります。

<Cry it outメソッドとは?>

赤ちゃんとおうちの方の寝室は別々です。ベビーベットはSIDS(乳幼児突然死症候群)を防ぐために、必ず安全な状態に整えます。固いマットレスを用意し、不要なブランケットなど窒息の危険のあるものは片付けます。

  1. 就寝時間になったら、暗くした子どもの寝室に赤ちゃんを一人で寝かせます。
  2. 赤ちゃんが泣いても、すぐには部屋に入ってはいけません。
  3. 長時間泣き止まない場合のみ部屋に入り、背中を軽く叩くなどして大人が傍にいることを伝えます。その時、あやすために抱き上げることや授乳はしません。
  4. 決まった時間が経てば、再び赤ちゃんを一人にし、部屋から退出します。

Cry it outメソッドでサイレントベビーになったという報告はありません。

調査では5歳程度までの情緒の発達に特に差はないとしています。しかし、最近では欧米でも賛否が分かれているネントレです。

「赤ちゃんに辛い思いをさせている」と思いながら進めるネントレは、おうちの方の心に負担になります。

赤ちゃんの泣き声に断念する家庭が多い『cryitout』メソッドではなく、日本では添い寝による泣かせないネントレが主流です。

ネントレを始める時には、「泣かせるネントレ」と「泣かせないネントレ」を比較し、自分たちに合った方向性を決めてください。

生活リズムや入眠環境の調整を主軸とした「泣かせないネントレ」はこちらにまとめています。

 

ネントレ中、サイレントベビーか心配になったら

ネントレ以外でたっぷり愛情を注ぐ

ネントレはある程度のスケジュールを決めて行いますが、自由な時間は多くあります。特に昼間は赤ちゃんと愛着関係を築くチャンスです。

赤ちゃんが泣いたら、抱っこをしたり、オムツを替えたりとその要求に応えましょう。

コミュニケーションを意識して取ることで「あなたは大切な存在で、一緒にいると楽しい」と赤ちゃんに伝えます。

乳児は言葉や表情で気持ちを表現することに未熟です。しかし、おうちの方の言葉がけをしっかり受け取っています。

子どもの気持ちを想像し「あったかいね」「おいしいね」と代わりに言葉で表現しましょう。言葉を覚える基礎になり、気持ちに応えてもらえたという嬉しい体験に繋がります。

ネントレについても「しっかり体を休めるために必要なことだよ」と繰り返し説明をしましょう。

家族が自分に優しくしてくれた記憶は子どもの感性として芽生えます。親とのやり取りが、その子の人間関係の基盤になります。

正しい睡眠リズムを教えることと並行して、充分な愛情を注ぐことが大切です。

不安な時は医療機関に相談する

サイレントベビーを想起させる症状には、知的な発達の遅れや自閉症の可能性、耳の聞こえの問題が懸念されると言われています。

不安な場合は、早期に乳幼児検診や市の保健師、かかりつけ医などへ相談しましょう。

 

まとめ

ネントレでサイレントベビーになるかは断言できません。しかし「泣かせるネントレ」は、おうちの方が赤ちゃんへの罪悪感を強く感じる傾向にあります。

ネントレは赤ちゃんと家族の生活を豊かにするものです。精神的な負担を強く抱えながら、強引に進めることはおすすめしません。

「泣かせないネントレ」「生活リズムを整えるネントレ」などを候補に入れ、納得のできる方法で進めてください。

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