赤ちゃんの寝返りを徹底分析!寝返りをしない子のための練習も解説

「赤ちゃんの寝返りの仕組みって?必要な運動能力は?」

「寝返りの練習はいつから?どうやって始めるの?」

赤ちゃんは日々、新しい成長を見せてくれます。寝返りをするのも待ち遠しいですね!

この記事では寝返りを動作分析し、さらに、寝返りするための運動能力の発達を解説します。分析に基づいた練習方法をぜひ試してください!

 

寝返りとは?

ねんねのまま、体の向きを変える動きです。

体を回転させることで仰向けからうつぶせ、うつぶせから仰向けへと体勢を変えられるようになります。最初は偶然の成功であることが多く、やがてコツを掴み、自分から寝返りをします。

赤ちゃんの成長はねんね→首すわり→寝返り・おすわり→はいはい→つかまり立ち→歩行と進みます。

それぞれの段階には求められる運動能力が違います。自然な成長に加え、習得した運動を繰り返すことにより、体が鍛えられ、次の段階にステップアップします。

つまり寝返りは、はいはいや歩行に繋がる大切な動きです。

寝返りの時期はいつ頃?

時期の目安は生後5~6ヶ月頃です。厚生労働省の調査では、生後6~7ヶ月未満の赤ちゃんの90%が寝返りができると報告されています。

早い赤ちゃんは4~5か月から寝返りを始め、中にはおすわりを先に完成させる場合もあります。足腰を自由に動かせる様子があれば、発達に心配はいらないと言われています。焦らず成長を楽しんでください。

 

赤ちゃんの寝返りを分析

乳児の寝返りの動作分析

寝返りは①足、②腰、③首、④手の動きの連続した動きです。

その4箇所を順序立ててタイミングよく連動させると、重心が移動し、体が回転します。

大人と子どもの寝返りは起点が違います。大人は始めに上体から動かします。対して、子どもはまず、足から動き、腰を捻って体を起こします。

①足の動き

まず、仰向けになった赤ちゃんは足の交差から寝返りを始めます。寝返りをリードするのは下半身の捻りです。

②腰と肩の動き

赤ちゃんは足の動きによって崩れたバランスを取ろうします。そのため、腰を捻り、連続して、支点になる肩を捻ります。徐々に体を横向きに傾けるうちに、自然と重心が移り、ころんと転がるように体がうつぶせになります。

③首の動き

肩と腰の動きに続き、首を回すことで寝返りを助ける重心移動を行います。肩と腰、首の連動こそが寝返りの肝です。

④手の動き

胴体の下に踏んでしまった手には、ずっしりと体重がかかっています。これを抜いて、寝返りの完成です!

 

赤ちゃんの寝返りを実際に試すと、腹筋の必要性や各部位を連動させるタイミングの難しさが実感できます。

新生児期からの運動能力の発達を分析

寝返りは新生児期からの運動能力の発達の集大成として完成します。

新生児の動きは、外からの働きかけに対して勝手に体が動く反射でした。それが5~6ヶ月頃になると、充分な運動能力を備え、自分の意志で寝返りの動きに挑戦します。

それでは、寝返りに必要な各部位の発達を月齢ごとに見ていきましょう。

2か月頃

2か月頃の赤ちゃんは首と手の発達が顕著にみられ、うつぶせにすると、頭を持ち上げるようになります。この頃の赤ちゃんは手をじっと見つめるうちに、それが体の一部だと発見します。このハンドリガードにより、体が自分の意志で動かせるという気付きを得ます。

3ヶ月頃

3ヶ月頃にはおうちの方の声掛けや気になる音の方向に、自発的に顔を向けるようになります。この頃からだんだんと首がすわり始め、ゆっくりと時間をかけて安定します。体の前で手合わせをしたり、握ったおもちゃを口元で確かめたりしながら、手の操作を覚えていきます。

4~6ヶ月

4~6ヶ月になると、いよいよ寝返りに必要な首と手、腰、足の運動能力が揃います。ほとんどの赤ちゃんの首すわりが完成し、どのような体勢にしても頭がふらつかなくなります。

腰と足をふくむ下半身の運動能力はこの時期に大きく高まります。頭に近い場所から進んでいた発達が背中まで達し、胴体にも筋肉がつきます。

足を掴んで遊ぶ、足指をしゃぶるなどの行動は、寝返りのための筋力がついた証拠です。

 

寝返りをしない時はどうする?練習方法とは?

あかちゃんの「できた!」の気持ちを尊重しながら、寝返りに必要な力を鍛えましょう。寝返り期の赤ちゃんに適した刺激を、遊びとして与える3つの方法を紹介します。

おうちの方の積極的な触れ合いや言葉がけでプラスの効果が高まります。練習は赤ちゃんの体調や機嫌を見ながら、無理せず行いましょう。

おもちゃで寝返りを誘う

「気になる」「やってみたい」と子どもの内側から湧き上がる好奇心は寝返りを手助けします。赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを原動力に変えましょう。

<おもちゃで寝返りを促す方法>

  1. 最初は仰向けにした赤ちゃんの真上でおもちゃを振り、手を伸ばせばおもちゃを掴めることを理解させます。
  2. 次に、手を伸ばした拍子に起こるバランスを崩しての寝返りを誘います。おもちゃは赤ちゃんの斜め上から床に向けて振りながら、目で追えるようゆっくりと移動させます。赤ちゃんの手が届かないぎりぎりが理想的な軌道です。赤ちゃんに向かって左側を通す時は左手が触るように、右側を通す時は右手が触るように位置を調整してください。寝返りが出来なくてもおもちゃを触らせることで、達成感が得られ、楽しく遊びを続けられます。練習用のおもちゃは2個以上用意しておくと、繰り返しの遊びがスムーズです。

赤ちゃんの興味を視覚と聴覚から引くおもちゃの選び方を紹介します。

赤ちゃんの目は赤色や顔のパーツ(目、鼻、口)のついたおもちゃをよく認識します。また、音が鳴るラトルは耳で注意を引きやすく、手に触れた時の満足感を高く得られます。胎内音に近いガサガサ音の鳴るおもちゃも練習に適します。

プレ寝返りを行う

首がすわったら、リハーサルとしておうちの方の補助付きのプレ寝返りをしましょう。プレ寝返りには寝返りのコツを掴み、運動能力を鍛える効果があります。動きの反復が、寝返りの成功を引き寄せます。

〈プレ寝返りの方法〉

  1. 赤ちゃんの片足を持って、反対側の足へクロスさせます。反対の手でお尻を支えて、腰の捻りを促すようにそっと押しましょう。
  2. 肩を中心に体を支え、横向きになったところで一度止めましょう。さらに、ころんと自重で回転できる位置までゆっくりと押していきます。
  3. 上半身の回転によりうつぶせになったら、体の下敷きになった手を抜きます。

不安定な体勢になると、赤ちゃんはバランスを取るために体を捻ろうとします。

プレ寝返りのコツは、赤ちゃんの自発的な動きを待つことです。足りない動きを補うように助けましょう。右回転と左回転の両方を行うことで、体のバランスが良くなります。

うつぶせに慣れさせる

うつぶせは生後1~2か月頃から始められます。最初の継続時間の目安は5秒程度です。

月齢の低い赤ちゃんは力が尽きると、べったりと床に顔をつけたり、泣き出したりします。その場合はすぐに楽な仰向けに戻してあげましょう。慣れてくると、顔を持ち上げる時間が長くなります。赤ちゃんの様子を観察しながら、うつぶせの時間と回数を徐々に増やしましょう。

うつぶせのメリットとして、首や肩、腕、背中の筋肉の強化があります。

また、仰向けの赤ちゃんは周囲の様子を立体的に見ることができませんでした。うつぶせになることで物の見え方が面白く変化し、寝返りへの意欲になります。

おすすめのうつぶせ方法

あかちゃんにとって、続けやすいうつぶせを2つ紹介します。

一つ目は、赤ちゃんの上半身を高くキープする方法です。棒状に巻いたバスタオルや抱き枕などに両脇を通して乗せることで、胸が圧迫されず楽にうつぶせを維持できます。赤ちゃんに嫌がる様子がなければ、ずり落ちても繰り返し乗せてあげましょう。

二つ目はおうちの方が仰向けに寝たお腹の上に赤ちゃんをうつぶせにして乗せるラッコスタイルです。赤ちゃんにはおうちの方の顔が見え、体温や声を感じることができ、安心してうつぶせを楽しめます。

うつぶせ時には絶対に目を離さないでください。

また、前回の授乳から30分の間隔を開けると吐き戻しが減ります。

 

まとめ

「子どもの成長は右肩上がりではなく、螺旋状だ」と言われています。

成功と失敗を繰り返しながら、それでも確実に寝返りの完成に向けて進んでいます。赤ちゃんの体調や機嫌をみながら、寝返り練習を遊びとして楽しんでください。

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