赤ちゃんの夜泣きで睡眠不足になるということは、子育てをするほとんどのお父さんお母さんが経験します。
苦しそうに泣いている赤ちゃんをみると、なんとかしてあげたいと色々な原因を考えますが、実際夜泣きの原因は様々でなかなか一つに絞ることは難しいでしょう。
しかし、鼻づまりが原因で夜泣きをしている場合は、その適切な解消法を知ることで赤ちゃんもご両親も少し快適な夜を過ごせるかもしれません。
鼻づまりになる原因は?
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、ダニの死骸やペットの毛などが含まれた家の中のほこりであるハウスダスト、または、杉やブタクサなどの花粉が原因です。これらのものを体に入れないために、鼻水を出してブロックしようとするのです。
乳児でもアレルギー性鼻炎が見られることもあります。アレルギー性鼻炎と風邪は症状が似ていますが、アレルギーの場合は目も痒くなったり、目が赤く充血することがあります。
鼻水が乾燥して詰まってしまう
特に冬は、鼻の中に溜まった鼻水が乾燥してしまうことで固まってしまい、鼻くそとなって詰まりやすくなります。特に生後1−2ヶ月の赤ちゃんの鼻はとても小さく、大人よりもつまりやすいのです。
鼻の中の異常
副鼻腔炎
副鼻腔とは、鼻の中と繋がった頭蓋骨の中にある空洞の部分を指します。空洞の表面は粘膜で覆われていますが、その粘膜がウイルスや細菌への感染によって、炎症を起こし、膿を作ってしまう状態を副鼻腔炎と言います。
蓄膿症とも呼ばれ、ここに溜まった膿が鼻水となり、鼻から排出される事でさらに鼻づまりの原因になるのです。
鼻腔閉鎖
とても稀ですが、先天的に腫瘍や奇形によって鼻腔が閉鎖していることもあります。両方が閉じてしまっている場合は呼吸ができないのですぐに気がつくのですが、片方だけ詰まっていたり、両方が狭かったりすると、なかなか気づけないこともあります。
鼻づまりの正しい解消法
吸引機(鼻吸い器)を使う
口で吸ってあげるタイプ
片方を赤ちゃんの鼻に、もう片方をお父さん・お母さんの口に入れ、口で吸ってあげることで鼻水を吸い出すタイプです。価格が安い上に、軽いため外出時にも持っていけます。しかし、吸引者側にも風邪がうつってしまうリスクもあります。
電動タイプ
電動には据え置きタイプとハンディータイプがあります。据え置きタイプは吸引力が大きく、コンセント型なので、電池が必要ありません。また、ハンディータイプは電池を入れてどこにでも持ち歩けるようになっています。製品によって、吸引力や、サイズ、お手入れのしやすさ、音の大きさなどが異なり、選択肢は多くあります。
温めてからとってあげる
体を温めてあげると鼻水が自然と出てきやすくなります。お風呂に入れた後に鼻水をとってあげてもいいですし、またはホットタオルや温めたガーゼを鼻に当てて、鼻を温めてあげるととりやすくなります。
この時に、鼻と口の両方を覆ってしまうと呼吸ができなくなってしまいますので気をつけましょう。または、部屋を加湿するのも一つの方法です。適切な湿度の目安は、
- 夏:約45−60%
- 冬:約55−65%
です。加湿器がおうちにない場合は洗濯物を部屋干ししても湿度をあげることができます。
また、綿棒を使って鼻くそや鼻水をとってあげることもできますが、この時は綿棒を奥まで入れすぎないように気をつける必要があります。鼻の奥の粘膜を傷つけてしまうと、鼻血が出てしまいます。よって、赤ちゃん用の小さい綿棒を鼻先に少し入れるようにして鼻水を取りましょう。
体を温めた状態でも鼻くそが取れない時は無理に綿棒で引っ掻き回さず、小児科や耳鼻科で取ってもらいましょう。または、心配しなくても自然に出てくるので、それまで待ちましょう。
アレルギーの原因から遠ざける
アレルギー性鼻炎が原因で鼻づまりをしている場合は、アレルギーの原因からなるだけ赤ちゃんを遠ざける必要があります。
家を綺麗にしているはずなのに、ハウスダストアレルギーと言われることもあります。ハウスダストは、高い気温と高い湿気を好むので、部屋の温度と湿度が高くなりすぎないように気をつけましょう。
また、ハウスダストは布製のものにつきやすいので、以下のものをこまめに掃除、洗濯しましょう。
- ソファー(出来れば布製ではないものを選ぶ)
- ぬいぐるみ
- カーペット(出来れば畳やフローリングにする)
- 布団(日光に当てて乾燥させてから掃除機をかける)
また、花粉の回避のために花粉の季節は以下のことに気をつけましょう。
- 赤ちゃん、両親ともに毛織物性の服を控える(親に花粉がついていると赤ちゃんの世話をするときに赤ちゃんに降り掛かってしまいます)
- つるっとした素材の服を選び、外出から帰ってきたら払い落としてから家に入る
- 布団や服を外に干さない
- 出来るだけ窓を開けない
- 花粉が多い日には外出を控える
こんな時には病院へ
軽い鼻づまりならば病院には行かずに、放っておいても大丈夫です。小児科を受診する子供のほとんどは鼻水を症状の一つとしていますが、実際には受診の必要がない程度の場合も多いようです。
病院に行く目安としては次のことをチェックして、必要ならば小児科や耳鼻科で相談しましょう。医師にしっかり状態を伝えられる様に、鼻水がどんな状態であるか、どのくらい続いているのかをよく観察しましょう。
鼻水以外の症状
鼻水と一緒に咳や熱下痢などその他の症状が出た場合は風邪やウイルス感染が疑われます。
鼻水の色を確認
透明な鼻水ではなく、黄色や緑の鼻水が見られる場合、それは細菌感染の可能性があります。必ずしも色のついた鼻水が感染のサインではなく、感染の治りかけにも戦い終わった白血球の死骸の塊が鼻水に混じって黄色くなることもあります。
鼻つまりによる注意事項
ミルクが飲みづらくなる
ミルクを飲むときは鼻で呼吸をするので、鼻が詰まっているとミルクが飲みづらくなります。大人も鼻が詰まっていると食事をするのが辛いのと一緒ですね。
鼻づまりにより十分な量ミルクが飲めず、夜中にお腹が空いてしまったり、機嫌が悪くなったりして、夜泣きにつながることもあります。
鼻が詰まっていても全くミルクを全く飲めなくなるわけではないので少量ずつでも回数を分けて飲ませてあげてください。
口呼吸
長い間鼻づまりが続くと、口で呼吸することが癖になってしまいます。口呼吸をするようになると、喉の奥や舌の筋肉がたるんでしまい、呼吸をするときの空気の通り道を邪魔するため、寝ている間のいびきの原因になってしまったり、顔の下半分の成長発育にも影響を及ぼすことがあります。
口呼吸により引き起こされるこの顔の特徴は、アデノイド様顔貌と呼ばれています(舌の顎が成長不足で小さく、後ろに後退する)。これによって将来の歯並びにも悪い影響を及ぼします。
まとめ
少しの鼻づまりですぐに病院に行く必要はありませんが、感染の疑いはないか、鼻呼吸ができない状態が続いていて口呼吸が癖になっていないかなどのチェックをしてあげることが大切です。
鼻がつまっているなと思ったら、寝る前にお家でできる鼻づまりのケアをしてあげてから寝かせてあげることで、夜泣きの悩みを解決できるかもしれません。
赤ちゃんと共にゆっくりとした夜を過ごせるといいですね。