「お昼寝しない子どもは、そのままでいいの?」
「夜のネントレは分かるけれど、昼もネントレできるの?」
保育園では基本的な生活習慣の指導を行っています。実は、その中に正しい睡眠のためのネントレがあるのです!
プロのネントレを応用した、おうちでもできる『お昼寝ネントレ』を紹介します!
赤ちゃんギャン泣き!なぜお昼寝はうまくいかないの?
お昼寝を促すと、赤ちゃんが嫌がって大泣きすることはありませんか?その寝ぐずりには、こんな理由があります。
もっと遊びたい!
まず、子どもは目の前の遊びがなくなってしまうことに強い抵抗を感じます。子どもにとっては「今がすべて」なのです。
状況に応じて、保育園では子どもと相談し、玩具をお昼寝明けまで片付けず、そのまま取っておく対応をとります。4歳頃には見通しを立てる力がつき、遊びと折り合いをつけるようになります。
体力が有り余っている
次に、午前中の運動量が足りないことです。夜間に体力を回復し、午前中の子どもは元気いっぱいです。体力が消費されないままでは、休息を必要とせず、眠ることができません。
反対に、完全なスタミナ切れによる寝ぐずりは、お昼寝のタイミングが遅い時に起きます。眠さによる大きな不快を伝えることに、子どもが精一杯な状態です。
眠る感覚が怖い
最後に、子どもは睡眠時に意識が落ちていく過程を怖がります。瞼が落ち、動けなくなる感覚に死をイメージし、泣くと言われています。就寝と起床を繰り返すことで、眠りを生活の一部として捉えられるようになります。
お昼寝ネントレで目指す、理想のお昼寝とは?
お昼寝は何歳までするの?
子どもによって、必要な休息に差があるため、一概には言えません。
しかし、3歳までは多層性睡眠が必要とされる年齢です。体力の回復や睡眠時間を補うために、お昼寝時間を意識して作りましょう。保育園では眠れない子どもも、時間には布団で休ませます。
およそ4歳頃からお昼寝をする子どもが減り、5、6歳ではほとんどの子どもにいらなくなります。
お昼寝の時間帯は?
月齢毎に必要な昼間の睡眠です。
- 生後2ヶ月→ 朝寝 昼寝 夕寝
- 生後5ヶ月から6ヶ月→朝寝 昼寝
- 生後8ヶ月以降→昼寝のみ
朝寝は9:00~10:00、昼寝は12:00~14:30、夕寝は16:00~17:00が目安です。時間が定まると、子どもはスムーズに眠りの態勢に入ります。
プロが実践!『保育園のお昼寝ネントレ』とは?
お昼寝を含んだ保育園の午前の活動の流れを紹介します。保育園のネントレの基本は、お昼寝時間まで毎日、一定の生活リズムで過ごすことです。
さらに、午前中にしっかり体を使って遊ぶこと、お昼寝をしやすい環境を整えることがポイントです。
午前の日課がネントレになる!
保育園では、0歳児クラスは朝寝、昼寝のみ、1歳児クラスからは昼寝のみを行います。
9:00~10:30 午前中の日課として、運動遊びを行う
子どもたちは7:30頃から順に登園します。そして、9:15~10:30を目安にお散歩や戸外遊びでお日様の光をたくさん浴びて思い切り遊びます。
雨の日は保育士がサーキットを組み立て、できるだけ体を動かせるように努めます。サーキットとは、飛び箱や平均台などの障害物を並べた体育遊びのコースです。
10:30~ 子供の食事、その後就寝へ
たっぷり遊んだ後は給食の時間です。喫食の開始時間は次の通りです。
- 0歳児クラスは10:30~ 離乳食(1回食)
- 1歳児クラスは11: 20~ 昼食
- 2歳児クラスは11:30~ 昼食
0歳クラス、1歳クラス、2歳クラスの順に昼食をとります。食事を終えた子どもから喫食スペースを抜けて、灯りを落としたねんねスペースへ向かいます。
12:00~14:30 並んだ布団でお昼寝する
ねんねスペースには、それぞれのお昼寝布団が敷いてあり、準備が整っています。お友達が寝ていることを理解し、お昼寝までのプロセスが体に馴染んでくると、目を瞑れなくても布団の中で寝転がり、多くの子どもが2時間ほどゆったりと過ごします。
子どもが寝ない時、どうする?保育士の対応
保育のプロである保育士でも、0〜1歳児の寝かしつけには苦戦を強いられます。泣き出した時の対応に正解がないため、保育士によって違います。
具体的には、外に連れ出して抱っこする、先生の横で静かに過ごさせる、子どもの眠る力を信じてそのまま見守るなどです。放っておかれた子どもの方が、その後の寝つきがスムーズでした。
プロのネントレを応用!おうちのお昼寝ネントレとは?
生後2ヶ月頃からお昼寝ネントレに効果が生まれます。朝の起床時からスタートし、昼に眠くなるようコントロールをしましょう。
午前中を活動的に過ごそう!
7:30までの起床が、活動時間を長く確保します。子ども主体のお出かけは午前中に集中させましょう。保育園や幼稚園、児童館の子育て支援事業の多くが、午前に設けられています。
外遊びと合わせて、有効活用できます。雨の日も、体操やスキンシップ遊びなどで積極的に遊びましょう。
食事→お昼寝の流れを日課にしてください。眠たくなる昼食後はお昼寝の絶好のタイミングです。離乳食の1回食も午前中に済ませましょう。
いざ、お昼寝!赤ちゃんが寝るポイントは?
部屋をリラックスモードにして、お昼寝ムードに変えましょう。第一のポイントは、照明を落とし、部屋を暗くすることです。カーテンを開け、自然光を残すことで、過剰な眠りの深まりを防ぎます。
第2のポイントは、ヒーリングミュージックやオルゴール音楽をお昼寝の合図とすることです。視覚的、聴覚的に休む時間であると強調します。スマートスピーカーや携帯アプリなどを使うと準備を手軽に行えます。
大人も子どもの隣で横になり、休息をとりましょう。保育園ではお友達が寝ている姿も、雰囲気作りのポイントとしています。家族の寝姿はより効果的です。
お昼寝の時間帯、睡眠時間には注意!
眠り始めが遅くても、15:00には子どもを起こしてください。生後2か月頃から、17:00以降の夕寝も避けます。
また、お昼寝明けに子どもの不機嫌が続く場合、睡眠過多が考えられます。昼寝で眠り過ぎると、午後に体が活動モードに切り替わりません。
昼ネントレは家族のコンディションを重視
睡眠、スタミナ不足からの不快は子どものイヤイヤを増長します。予定の時間より早くても寝かせましょう。後続の睡眠やお昼寝時間で調節が利きます。
子どもがご機嫌な状態を長く保つと、育児が楽になります。保育園ネントレと比較して、おうちのネントレは、子ども個人に合わせられる柔軟性がメリットです。
まとめ
保育園のネントレの基本は、お昼寝時間までの一定の生活リズムです。ポイントとしては、午前中に体力を使って遊ぶこと、お昼寝しやすい環境作りが挙げられます。
おうちでのお昼寝ネントレは、特にお昼寝の時間帯に留意が必要です。お昼寝の終了時刻を後へずれこませるのはやめましょう。
しかし、ご家庭の睡眠時間や健康状態に合わせ、お昼寝の始まりを早めることはできます。眠さによる不快を減らし、子どもの機嫌のいい時間を伸ばすことを目標としてください。