子どもを持つ親であれば、誰しも赤ちゃんの寝かしつけに時間を費やした経験があると思います。
そんなとき、赤ちゃんのスムーズな入眠を助けるのが、おしゃぶりです。
実際にどのように使えばぐっすり眠れるのか気になりますよね。
この記事では、おしゃぶりを使った寝かしつけ法や注意点について紹介します。
寝かしつけにおしゃぶりを取り入れるべき理由
おしゃぶりの使用時は、母乳やミルクを吸っている状態に近いので、赤ちゃんをリラックスさせる効果があります。
また寝る前に使えば、健康にもよいものです。口が覆われて鼻呼吸を促すといわれているので、適切に使えば赤ちゃんに効果的です。
たとえば、アメリカの小児科学会は、夜寝るときや昼寝をする際の使用は乳児突然死症候群に役立つとしています。(乳児突然死症候群は健康な赤ちゃんが寝ている間に、呼吸が止まり命を落とすものです。)
赤ちゃんの突然死を予防するメカニズムについては明確ではないものの、以下のことが考えられています。
- 吸い続ける動きにより胃の中の逆流を抑える
- 気道が確保されやすく、呼吸関連の筋肉が鍛えられる
- 腹ばいになったときの窒息を抑えられる
などです。
おしゃぶりを使った寝かしつけの仕方
実際に寝るときに使うときは、正しい方法で行いましょう。具体的には、以下の手順になります。
- 赤ちゃんをベッドに仰向けにさせたら、口にくわえさせる。
- 寝始めたら、起こさないようにそっと外す。
寝るときに使うときは、いったん寝始めたら、再度口には入れないようにしましょう。
おしゃぶりの選ぶポイントは2つ
新生児用のものなら、生まれた直後から使えます。健康な赤ちゃんは母乳やミルクを飲むために、生まれつき乳首を吸う力が備わっているためです。実際に商品を選ぶときは、以下の通りです。
塩化ビニル(PVC)製は避けた方がよい
乳幼児のプラスチック製の玩具は、素材を柔らかくするために、「フタル酸エステル」などの添加物を使用されているのが一般的です。いわゆる塩化ビニル(PVC)といわれるものです。
動物実験では、フタル酸エステルに精巣の縮小などが確認されており、人体への影響が心配されています。特に、おしゃぶりは口に入れる玩具であるため、1日の許容量を超えやすいという特徴があります。
塩化ビニル製でない、赤ちゃんにとって優しい素材のものを選んでみてください。
毎回同じものを使えば入眠儀式効果も
わが子のために、いろいろなデザインのものを揃えたいと考える人もいるでしょう。赤ちゃんは生まれたときから視覚や触覚を感知する力があり、自分のおもちゃを認知できるという研究結果があります。
寝る前に決まった行動をすることは、赤ちゃんの寝付きをよくする入眠儀式になります。
毎回違うものを使うのではなく、同じデザインのものを使うようにすれば、赤ちゃんへの入眠儀式の効果も期待できるでしょう。
寝かしつけにおしゃぶりを使うとき注意したいことは?
いろいろな場面で役立つおしゃぶりですが、夜寝るときに与える場合、いくつかの注意点があります。
母乳育児の場合は乳頭に慣れてからスタート
母乳を飲んでいる赤ちゃん注意したいのが、おしゃぶりを使い始める時期です。ママの乳頭とプラスチックの乳首では、ミルクの吸い方に違いがあり、赤ちゃんが混乱することがあるためです。
「乳頭混乱」といわれるものですが、赤ちゃんが一時的に母乳を吸えなくなってしまうケースも。
寝かしつけで使用するのなら、ママの乳頭でしっかり飲めるようになる1か月後を目安にしましょう(乳頭混乱が起こるかどうかや、乳頭に慣れる時期は赤ちゃんによって異なります)。
使うときは短時間ですませる
赤ちゃんが泣き続けていると、とりあえずおしゃぶりを口に入れる人も少なくありません。一方で長い時間使っていると、赤ちゃんによっては癖になることも。
寝るときには使うときは、いったん寝始めたら口から外すようにしましょう。
おしゃぶりの卒業の目安は?
さまざまなシーンで使えるおしゃぶりですが、いつかは卒業しなければなりません。長く使い続けていると、赤ちゃんの歯並びが悪くなったり、言葉の発声が上達しづらくなったりする可能性があるためです。
日本小児科学会は、おしゃぶりは2歳までとすすめています。この年頃の子どもは言葉もぐんと発達します。夜寝る前に絵本の読み聞かせをするなどして、他の事に切り替えていきましょう。
また、おしゃぶりをやめても、今度は指しゃぶりに切り換える子もいるでしょう。指しゃぶりは子どもが「心地よい」と感じるため、やめられなくなってしまうケースも。
指しゃぶりへ移行したら、優しく声かけをしたり一緒に過ごす時間を増やしたりして、子どもの満足感を満たしてあげるようにしてください。
添い乳は代用にならない
おしゃぶり卒業後、代わりに添い乳をしながら寝かしつけをしようと考えている人は注意が必要です。特に、ママが育児で疲れていると、横になりながら授乳してそのまま寝てしまった…というケースも少なくありません。
添い乳は、長時間ママの体に赤ちゃんの顏が接近しすぎることで、呼吸がしにくくなるため、乳児突然死症候群のリスクを高める可能性があります。
特に生まれて間もない場合、授乳ペースも頻回になるので、ママにとっても大変な状況です。
ですが、赤ちゃんの安全のためにも授乳は授乳、寝かしつけは寝かしつけと分けて行うようにすることが大切です。
まとめ
寝るときにおしゃぶりを使うと、赤ちゃんの気持ちが落ち着いて寝付きやすくなる効果が期待できます。
夜の使用時にはいくつかの注意点があるので、記事内で紹介した内容を参考に、上手に活用してください。