ふと赤ちゃんを触ると汗でしっとりしている、、なんてことありますよね。
赤ちゃんは夏の暑い時はもちろん、冬でもびしょびしょに汗をかくことがあります。
驚くほどに汗をかいて寝ている姿を前に、時には「こんなに汗をかいて大丈夫?」と心配になるでしょう。
赤ちゃんが大人よりもたくさん汗をかく理由と、汗っかきな赤ちゃんに対する対策を知っておきましょう。
赤ちゃんの寝汗について
赤ちゃんはなぜこんなに汗をかくのでしょうか。
まずは、なぜ赤ちゃんが大人に比べてたくさんの汗をかくのか、その理由を知っておきましょう。
赤ちゃんが汗をかきやすい理由
まず赤ちゃんは大人に比べると代謝がよく、平熱も36.5度から37.5度と高く、体の水分の割合も高いことが挙げられます。
さらに大人であれば汗をかく以外にも、皮膚の下にある血管が拡張して血流が増える事で熱を放出させるという、自律神経機能による体温調整が働きます。しかし、赤ちゃんはまだその機能が不完全であるため、汗をかくことだけで体温の調整をしなければならないのです。
また、私たちの体には汗腺と呼ばれる汗の出口が200万〜250万個存在します。大人も子供もほぼ同じ数の汗腺を持っていると言われています。そのため、体の表面積が小さい赤ちゃんは相対的に体の表面の汗腺の比率が高くなり、汗をかくと体全体がびっしょりと濡れてしまうのです。
特に寝ている間は、年齢に関わらず多くの汗をかきます。脳も体も休める深い眠りにつくためには体温を下げる必要があるからです。
寝ている間に赤ちゃんが汗でビッショリになってしまうのは、一種の生理現象であるため、それ自体が病気なのかもしれない、と心配する必要はないのです。
赤ちゃんの頭からの汗がすごい!?
寝ている時、特に頭から多くの汗をかいていることがあります。
これは、先に述べた汗をかきやすい理由に加え、頭からの汗の多さに関しては次の要因も加えられます。
頭には汗腺が多い
体の中で1㎠あたりの最も汗腺が多いのは手のひら、足の裏です。その次に汗腺が多いのは頭皮であり、胴体や腕などに比べて頭は汗をかきやすい部位です。
脳は熱に弱い
脳は体の中でも、生命を維持するためにとても大切な部位で、40.5度を超えると危険だと言われています。マラソン中にたくさん汗をかいている選手の直腸の温度が42度まで上がることを考えても、脳は熱に弱いことがわかります。頭から汗をかくことは脳の温度を一定に保つために必要なことなのです。
季節別の対応策
寝汗をかくこと自体は生理現象なので問題ないとわかったものの、寝汗が冷えて風邪をひいてしまったら大変です。
あらかじめ、季節ごとの汗をかいた時の対策を知っておきましょう。
夏場の対策
夏場はエアコンのドライ機能を上手に活用しましょう。赤ちゃんにとって夏場の室温は27〜28度、湿度は60%が適していると言われています。夏場に気をつけることは以下の通りです。
熱中症対策
熱中症になることを避けるために赤ちゃんに直射日光が当たらない様な場所にベッドを移動させましょう。
扇風機の使用
冷房は高めの温度に設定し、足りない分は、扇風機も併用しましょう。
薄手の布団
暑い夏は体全体に布団をかぶせるよりも汗を吸い取りやすいタオルをお腹にかけてあげるくらいでちょうど良いです。タオル以外には、ガーゼ地やパイル地などの綿製品が汗を吸い取りやすくておすすめです。
冬場の対策
冬場は20〜25度、湿度は50〜60%に保ちましょう。また冬場は以下のことに気をつけて寝汗対策をしましょう。
部屋を暖めすぎない
赤ちゃんは冷えやすく温まりやすいので、部屋の温度をあげすぎてしまうと熱がこもって汗をかいてしまいます。
また、暖房をつけすぎると部屋の湿度が下がってしまい、ウイルスの繁殖に都合のいい環境になってしまいますので、感染症にならない様に湿度にも気をつけましょう。
適切な服を選ぶ
冬は暖かい洋服を着せますが、寝るときにはその素材にも気をつけましょう。
フリース地などはとても暖かいものの、一度汗をかいてしまうと全く汗を吸わず後から体が冷えすぎてしまい風邪をひく原因になってしまいます。暖かい服を一枚着せるよりも、汗を吸いやすい、かつ速乾性の肌着を着せたり、重ね着をさせた方が温度調整もしやすいです。
また、季節に関係なく、汗が多いことに悩むお父さんお母さんは、汗取りパッドを使用するのも一つの手です。
赤ちゃんのあせも対策
寝汗によって赤ちゃんに頻繁に生じる問題点はあせもです。そのあせもの対策も知っておきましょう。
あせもができる理由
大人に出来やすいあせもは赤いブツブツで痒みを伴いますが、赤ちゃんにできやすいあせもは透明または白っぽい水ぶくれ状のものです。
このあせもは水晶様汗疹と呼ばれ、汗が溜まって汗腺を塞いでしまうことが原因で起こります。痛みや痒みなどがなく、数日で消えることが多いのが特徴です。
あせもを防ぐためには
汗をかいたらぬるま湯で流してあげましょう。毎回石鹸で洗う必要はないので、流してあげるだけで十分です。そのあとは清潔な服に着替えさせましょう。また、外出時はタオルで汗を拭いてあげるだけでも汗が皮膚に残らないため、あせもの予防になります。特に汗をかきやすいのは体の中でも以下の部分です。
- 肘や膝の裏
- オムツのウエスト部
- 汗が蒸発しにくい後頭部
- 太もも・胴体・脇など皮膚がこすれやすい部位
脱水症状!?こんな時には注意が必要
汗をかきすぎた時に最も注意しなければならない事は脱水症状です。
赤ちゃんは1kgあたり60〜80mlの水分量が必要です。脱水になると重度の場合、意識障害や痙攣を起こすこともあるので注意しましょう。
脱水症状のサイン
脱水を起こしている赤ちゃんには以下の様な特徴が見られるので注意深く観察しましょう。
- 顔色が悪い
- 皮膚がカサカサする、シワやたるみが目立つ
- 2%以上の体重の減少
- 不機嫌になる
- 目がくぼむ
- 口が乾いている
- おしっこの色が濃い
- 数時間経ってもあまりオムツが濡れていない
- 泣いているのに涙があまり出ない
脱水症状を起こしてしまったら
脱水症状を起こさないためには、なるべくミルクの間隔をあけすぎないようにしてこまめに赤ちゃんに水分を補給させましょう。
また、たくさん汗をかいたなと思ったら、脱水予防に冷ました白湯を飲ませましょう。白湯はカロリーなどを気にしなくていいのでおすすめです。
万が一、重症の脱水症状であると判断される場合はすぐに医師の診察を受ける様にしてください。
軽傷の場合は赤ちゃん用の経口補水液を飲ませましょう。
大人が脱水になるとスポーツドリンクを飲むことがありますが、大人用のスポーツドリンクは赤ちゃんには糖分、塩分が多すぎるため適していないので気をつけましょう。
また、脱水を起こしている時に白湯を飲ませると体内の電解質が薄まってしまうため、赤ちゃん用の経口補水液を常備しておくといいでしょう。
まとめ
汗をかくのは仕方のないことです。赤ちゃんは一生懸命適切な温度に自分の体を調整していると思いましょう。
睡眠時の赤ちゃんの環境に気を使うことは、寝汗が冷えることによる風邪をひくリスクや、あせもの予防だけでなく、赤ちゃんの夜泣きを防ぐこともできるため、お互いぐっすりと眠る夜を過ごすための配慮になります。
あらかじめできる対策を行ってお互い快適な夜を過ごしましょう。