子育てをしているとさまざまなお悩みってありますよね。
この記事では、不定期で読者の方から募集した質問に専門家の先生が回答します。
今回も、小児科医でありIPHI妊婦と子どもの睡眠コンサルタントの資格をお持ちの白井沙良子先生にお答えいただきます。
A:赤ちゃん特有の「浅い睡眠」が、突然の泣きにつながります。
突然泣き出すとびっくりしますし、心配になりますよね。
とくに月齢の低いお子さんは、短い睡眠サイクル(約40分)を繰り返しており、睡眠が浅い時間が多いです。また自力で寝つく能力も十分ではありません。その影響で突然泣き出すことがあります。赤ちゃんの睡眠は基本的に、かなり浅い状態の時間が多いのです。
この赤ちゃんの浅い睡眠については、こちらの記事で詳細に解説しています。
寝つく能力も、まだまだ成長過程
もう一つの原因としては、寝つく能力がまだ成長過程ということです。
睡眠が浅くなったときに、自力で寝つければいいのですが、なかなかそうはいかないのが赤ちゃんです。月齢の低いお子さんほど、寝つくためには、まだまだサポートが必要です。
昼夜のリズムをつくるメラトニンという物質の働きも、やっと軌道にのってきたかな?というところです。
一度寝ついても、また睡眠が浅くなったタイミングで、やはり寝つけない……となると「眠いのに寝られない!」と混乱して泣いてしまうのも一つの原因です。
対策①:数分、そのまま様子を見てみる。
抱っこすると泣き止むとのことですが、その場合はぜひ抱っこしてあげて大丈夫です。
ただしあまりに頻繁に起きる、そのたびに抱っこするようだと,親御さんのお体も心配です。
よくあるのは、かなり大きな泣き声やうなり声を出していても、実は赤ちゃんの脳の中は寝ているというケースです。
この場合は数分くらい様子を見ていると、また自力で赤ちゃんが寝つくこともあります。マンションか戸建てかなど、お住まいの環境にもよりますが、もし可能であれば数分の間、様子を見てみるのは一つの手です。
対策②:完全に寝落ちする前に、ベッドに置く。
もう一つの対策は、泣いた時というよりは、そもそも最初に寝かしつけるときの対策です。
実は「完全に寝落ちする前にベッドに置く」というのが、大事な夜泣き対策の一つなのです。
先述のとおり、赤ちゃんは短い睡眠サイクルを繰り返しています。3ヶ月のお子さんであれば、約40分ごとに睡眠が浅いタイミングが訪れていますが、このたびに自力で寝つけず、起きてしまうと夜泣きにつながります。
その一つの原因に「最初に寝ついたときと、違う環境になっている」ことがあります。
たとえば最初に寝るときは、お母さんに抱っこしてもらっていたのに、次に睡眠が浅くなった時(寝てから40分たった時)は、「抱っこしてもらえていない!」となると、混乱して寝つけないということにつながります。
月齢が低いほど、この特徴がよく見られます。
逆に、最初に寝つくときにベッドに置かれた状況であれば、また睡眠が浅くなったときでも混乱する可能性が低くなります。
なかなか1日2日ではすぐにうまくいきませんが、昼寝もふくめて、1日のうち1、2回くらいは「完全に寝落ちするまで抱っこ」ではなく「寝落ちする前にベッドにおいてトントンなどをしてみる」という寝かしつけをトライしてみると良いでしょう。
監修者PROFILE
日本人の小児科医で初めて、IPHI妊婦と子どもの睡眠コンサルタントの資格を取得。二児の母としての立場も生かしながら、外来やオンライン医療相談に携わる。
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