「子ども用の枕はこれでいいの?」「いつから必要なの?」と疑問に思ったことはありませんか。
タオルケットで代用していたり、絶壁防止枕を使用していたり、中にはママと一緒の枕を使っているお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、子ども用の枕は必要なの?いつから使えるの?どんな枕を選ぶと良いの?等の枕に関する気になる疑問を解説したいと思います。
子ども用の枕はいる?いらない?
結論を先に言いますと、小さいお子さんには枕は必要ありません。理由は2つあります。
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性がある
- 背骨の形が大人と子どもで異なる
これらについて詳しく解説していきます。
乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性
新生児から1歳頃の赤ちゃんに多い乳幼児突然死症候群(SIDS)ですが、枕があることで死亡リスクを高めることがあると言われています。
米国小児科学会(AAP)が出している「乳幼児突然死症候群(SIDS)などによる睡眠中の乳児死亡を予防するための安全な睡眠環境に関するガイドライン」には
“寝ている子供の顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いてしまったりするような物は置かないようにしましょう。”
という記載があります。枕などの柔らかいものは睡眠中の窒息や突然死につながる可能性がありますので、むしろ使わないほうが良いのです。
頭の絶壁を防止する枕等もありますが、睡眠時は使用せず保護者の目が届く範囲での使用にとどめておきましょう。
背骨の形が大人と子どもで異なる
大人の背骨は「S」
大人の背骨は横から見ると英文字の「S」のようにカーブをした体型をしています。重い頭を支える為に背骨が「S」の形になったと言われています。
その為、寝る時の体制もそのS字カーブの姿勢を保つことが理想的なのです。売られている枕もその「S」を崩さないような役割を持っているものがほとんどです。
子どもの背骨は「C」
それでは、子どもの背骨はどのようになっているかご存知でしょうか。子宮の中で背中を丸めて育つ赤ちゃんは英文字の「C」のように丸まっています。これが所謂C字カーブです。
首がすわるようになると頭を持ち上げるために首や骨の筋肉が発達していきます。さらにお座りをしはじめると腰にも筋肉がつきはじめます。そしてハイハイから歩くようになって全体のバランスをとる筋肉が発達してくると大人と同じような「S」を描いた背骨へと成長していくのです。
そして、この「S」を描いた背骨が完成するのは個人差もありますが、首よりも頭が後ろに出てくるとS字カーブが出来てくる頃だと言われています。年齢にすると10歳から12歳頃、小学校高学年になったあたりです。
子ども用枕は必要ない
つまり、大人と同じような「S」の背骨になる10歳から12歳頃まで枕は必要がないのです。むしろ、大人用枕(=S字カーブをサポートする枕)を使用してしまうと、子供の成長を妨げる恐れがあります。なので、S字カーブが完成するまでの正しい寝かせ方としては『何もひかないこと』が望ましいのです。
先程もご紹介しましたが、絶壁防止枕等は長時間の使用は避け、親の目が届く範囲で使用しましょう。タオルケットを枕として代用するのも首に巻き付く危険性があるのでオススメしません。それでも少し高さを出したい場合は、布団の下に敷くなどして首に巻き付かないような対策をしましょう。
ただ、自我が芽生えはじめる2〜3歳頃になると「ママ・パパと一緒のものがいい」「自分の枕がほしい」と言うお子さんもいらっしゃるかと思います。
その場合はどんな枕を選んであげるべきなのか、子ども用の枕の選び方をご紹介します。
子ども用枕の選び方
子ども用枕を選ぶ時は子どもの成長にあったものを選びましょう。合わない枕を使うことで以下のような影響がでることがあります。
- いびきが出る
- 口呼吸する
- 眠りが浅くなる
- 寝相がひどくなる
現在使用されている方もこのような症状がないかを確認しながら、枕を選んでいきましょう。
高さを調整できる
成長と共に変化していく背骨に合わせていくために枕を買い換えるのも良いですが、中には高さを調整できるものがあります。高さを変えるだけで使い慣れた枕を使い続けられるので、お子さんも安心して眠れますね。
子どもの寝相に合わせる
仰向けのまま寝る子、寝返りをたくさんする子、横向きに寝る子などお子さんによって寝相も様々です。仰向けの子は普通の枕でいいですが、寝返りをたくさんする子・横向きに寝る子には抱き枕タイプのものが良いでしょう。
寝相がひどかったお子さんで抱き枕タイプの枕に変えたところ、寝相が良くなったというお話もあります。
体にあったサイズを選ぶ
大人用の枕はサイズが大きすぎるので、子どもにとっては非常に使いにくいです。大きすぎるとSIDSのリスクも高まるので、子ども用のものを使用しましょう。
洗濯ができる
子どもは暑がりで汗っかきです。さらに汗だけではなく頭の皮脂やフケが付着していくので菌はどんどん繁殖してきます。洗わず使用していると湿疹等の原因にもなるので、枕ごと洗えるものが良いでしょう。
ひんやり機能がある
「あったかくして寝ましょう」とよく聞きますが、実は頭は冷やす方が熟睡できるのをご存知でしょうか。ましてや子どもは体温が高いので、頭を冷やしてあげる機能があると寝付きも良くなります。
実際に試してみる
一番良いのは実際にお子さんに試してもらうことです。
その際「呼吸が苦しくないか?」「肩や腰に負担がかかっていないか?」等を確認しましょう。ネットで購入した商品を初めて使う際も同様です。
特に口呼吸になってしまう場合は首・肩に負担がかかっている証拠なので、気をつけて見てあげましょう。
子ども用枕のオススメ10選
子ども用枕と一言でいっても種類はさまざまです。枕によっては使用できる年齢に制限もありますので、今回は下記の2つに分けてご紹介します。
- 「自分の枕が欲しい!」と言い始める2〜3歳頃から使えるもの
- S字カーブが完成し始める小学生くらいから使えるもの
2〜3歳頃から使える枕
この年齢はまだS字カーブも未完成なので、高さがほとんどなく小さいサイズのものがオススメです。
思いやり枕(リビングインピース)
2歳から12歳までの幅広い年齢層に使用できる「思いやり枕」。通気性がよく肌触りが良い「ガーゼキルト生地」で作られています。ガーゼキルト生地は吸水性・吸湿性がとても高いので汗っかきのお子さんにも最適です。枕の高さも低く作られているので小さいお子さんでも使用できるのもこの枕の良いところです。手洗いのみですが丸洗いが出来るので衛生面でも心配ありません。
ぼくのわたしのまくら(西川)
名前に「ぼくの」「わたしの」と書いてあるようにお子さんの成長に合わせて高さをかえることが出来る枕です。高さ調整も簡単に出来る仕様になっているので、お子さんに合った枕を実現することができます。こちらの枕は洗濯機で丸洗いが出来ますが、高さ調整ウレタンシートは洗えないので注意してください。
オリジナルネックピローJrサイズ(テンピュール)
大人用枕でも大人気のテンピュールから発売されている子ども用枕です。テンピュールは米国宇宙財団(NASA)によって「認定技術」ロゴの使用を認可された唯一のマットレス&ピローメーカーです。ボリュームを持たせた波形の形状が頭部から首筋に沿うように作られているので、S字カーブが未完成なお子さんにも負担なく使用することができます。さらにこの枕はお子さんだけでなくママ自身が使用しているという口コミもありました。小柄な女性にもオススメですね。
高反発ジュニア用枕(sleep celeb)
中材に90%以上が空気でできている三次元エアスリープという特殊な素材を使っている高反発タイプの枕です。エアスリープ素材は通気性が良いので、汗っかきのお子さんにも安心して使えます。そして一番の人気の理由は、エアスリープは耐久性にも優れているので使い続けてもへたらないことです。クチコミでも「本当にへたらない!」という声を多く見かけます。サイズも小さく、高さも低いので小さいお子さんでも使用できます。さらに洗濯機で丸洗いすることも可能です。
ひんやりベビーまくら ベビークール(西川 リビング)
触るとひんやりする接触冷感性機能がついているので、体温が高いお子さんには最適な枕です。さらに汗をしっかり吸い取ってくれる吸水性と、吸い取った湿気を素早く発散させる放湿性も持っているので、いつでも快適に眠ることが出来ます。こちらも洗濯機で丸洗いができます。
やわらかクールまくら ミッキー&ミニー(ピジョン)
ベビー用品では信頼性が高いピジョンから出ている枕です。枕の中身は特殊なゲル剤使用で、冷凍室で冷却しても氷のように固くならず快適に眠ることが出来ます。そしてこの枕の一番のポイントは、枕の両面で温度が違うところ。表面はほどよく冷たいので普段使い用に、裏面は冷気が強いので発熱時用にと使い分けすることが出来ます。0歳児から使用することが出来るので、発熱時用に常備しておくのも良いかもしれません。
小学生くらいから使える枕
S字カーブが完成しはじめる頃になると、体の成長も著しく変わり寝相がひどくなるお子さんや寝相が変化するお子さんもいます。なので、よりお子さんの成長に合わせた枕が必要となってきます。
COPIRO コピロ(東京西川 ジュニア枕)
成長に合わせて、パイプを抜いたり追加したりすることで簡単に高さをかえることが出来る枕です。枕は3つのブロックに分かれているので、微調整することも可能です。色は3色展開しているので、お子さんと一緒に選んでみるのも良いかもしれません。公式では小学生からと記載はありますが、2歳ぐらいから使用している方もいらっしゃったので、お子さんの様子を見ながら使用されてみてください。こちらの枕は洗濯機で丸洗いすることが出来ます。
自分で作れる手作りキッズまくら(西川リビング)
2017年度グッドデザイン賞も受賞しており、自分で本格的な枕を作ることができる商品です。作り方は専用の道具を使い、自分はどのくらいの高さが良いかを算出できるようになっています。手作りできる対象年齢は小学3年生となっておりますが、枕自体は小さいお子さんでも使用することが出来ます。ママやパパ、もしくは兄弟姉妹揃って一緒に手作りしてみてはいかがでしょうか。
ジュニア用 頚椎サポート枕
頚椎部分をサポートするために頚椎部分が高く後頭部がくぼんだ形に設計された枕です。クッション性もある「クリスター」という特殊な綿を使用しており、クリスターは吸湿性・放出性も高いのでいつでも快適な寝心地が得られます。これまで18,000個以上も売れており、楽天ランキングでも常連の人気商品です。洗濯機は使えませんが手洗いであれば丸洗いすることが出来ます。
おめざの天才(アーチピローKIDS)
この枕は他の枕と違って、普通の枕と抱き枕がくっついたような特殊な形をしています。実は、寝相が悪いお子さんの為に開発された枕なのです。この抱き枕がついていることで仰向けだけではなく横向き寝もサポートしてくれます。さらに成長に合わせて首・頭部・両サイドの計3箇所の調整ができるので好きな高さや厚みに変えることが出来ます。本体は手洗いのみですが、カバーは洗濯機で洗えるので清潔に保てます。
まとめ
いかがだったでしょうか?S字カーブが完成するまで枕は必要ないという事実に驚かれた方もいるのではないでしょうか。
子どもの体はまだ未完成な部分があるので、成長に合わせてサポートしてあげる必要があります。
ただ、枕を使用されている方は必ずしも使用をやめる必要はありません。SIDSのリスクがある月齢では、保護者の目の届く範囲で使用しましょう。そして月齢が高いお子さんは、口呼吸になっていないか・いびきはひどくないか等確認してみましょう。
もし思い当たる節があったら枕をなくしてみるか、今回ご紹介した選び方を参考に枕を見直してみるのも良いかもしれません。お子さんにピッタリの枕が見つかりますように。