
「赤ちゃんの寝返りっていつから始まるの?」
「なかなか寝返りしないけど、練習させたほうがいい?」
「寝返りするようになったら、夜寝ているときが心配…うつぶせのままで大丈夫?」
寝返りは赤ちゃんが自分の力で体の向きを変えられるようになる、うれしい成長の一歩です。一方で、寝返りが始まると「夜中にうつぶせになっていて息苦しくないかな」と、睡眠中の安全が気になり始めるママ・パパも多いはず。
この記事では、寝返りの時期や仕組み、月齢別の発達、しない子のための練習方法をわかりやすく解説したうえで、寝返りが始まってからの睡眠環境の整え方や夜の見守りのポイントまで、子どもの眠りの専門メディアの視点でまとめました。焦らず、赤ちゃんのペースを大切にしながら読み進めてくださいね。
寝返りとは?いつから始まる?
寝返りとは、あお向け(ねんね)の状態から体をねじって、うつぶせへと向きを変える動きのこと。最初は偶然コロンと転がってしまうことが多く、やがてコツをつかんで自分の意志で寝返りをするようになります。
赤ちゃんの運動発達は、おおよそ次の順序で進みます。
ねんね → 首すわり → 寝返り・おすわり → はいはい → つかまり立ち → あんよ(歩行)
それぞれの段階で必要な筋力やバランス感覚が異なり、一つできるようになるとその動きを繰り返すことで体が鍛えられ、次のステップへ進みます。寝返りは、はいはいや歩行へつながる大切な土台になる動きなのです。
寝返りの時期の目安は生後5〜6ヶ月頃
寝返りの目安はおおむね生後5〜6ヶ月頃です。厚生労働省の「乳幼児身体発育調査」では、生後6〜7ヶ月未満の赤ちゃんの約90%が寝返りできるとされています(出典:厚生労働省 平成22年乳幼児身体発育調査)。
ただし、これはあくまで平均的な目安です。
- 早い子は生後4ヶ月頃から寝返りを始める
- おすわりを先に習得してから寝返りする子もいる
- ぽっちゃりした体型の子はゆっくりめのことがある
足腰を活発に動かしていたり、体をねじろうとする様子が見られれば、時期が多少前後しても心配しすぎなくて大丈夫です。あお向けで足を持って遊んだり、体を横に傾ける様子が出てきたら、寝返りはもうすぐのサインです。
赤ちゃんの寝返りの仕組みを動作から分析

「うちの子はどこでつまずいているんだろう?」と練習方法を考えるうえで、寝返りが体のどの部分の連動で成り立っているのかを知っておくと役立ちます。
寝返りは足→腰・肩→首→手の連続した動き
寝返りは、①足、②腰・肩、③首、④手の4つの動きがタイミングよくつながって完成します。順番に重心が移動することで、体がコロンと回転するのです。
おもしろいのは、大人と赤ちゃんでは寝返りの起点が違うという点。大人はまず上半身を起こして向きを変えますが、赤ちゃんはまず足から動かし、下半身のねじりを使って回転していきます。
| 順番 | 部位 | 動きのポイント |
|---|---|---|
| ① | 足 | 足を交差させ、下半身をねじって回転をリードする |
| ② | 腰・肩 | 崩れたバランスを取ろうと腰、続いて肩をねじり、横向きになる |
| ③ | 首 | 顔を向けたい方向へ首を回し、重心移動を助ける |
| ④ | 手 | 体の下敷きになった手を抜いて寝返り完成! |
実際に大人が赤ちゃんと同じように「足から」寝返りを試してみると、思った以上に腹筋やバランス感覚が必要なことが実感できます。赤ちゃんにとって寝返りは、全身を協調させる大仕事なんですね。この「④手が抜けない」段階でつまずく子が多く、腕の下敷きが寝返りの最後の関門になります。
新生児期からの発達を月齢別に見てみよう
寝返りは、生まれてからコツコツ積み上げてきた運動能力の集大成として完成します。月齢ごとの発達を見てみましょう。
2ヶ月頃
うつぶせにすると頭を少し持ち上げるようになります。自分の手をじっと見つめる「ハンドリガード」が見られ、「これは自分の体の一部で、自分で動かせるんだ」という気づきが芽生えます。
3ヶ月頃
声や音のする方に自分から顔を向けるように。少しずつ首がすわり始め、体の前で両手を合わせたり、握ったおもちゃを口に運んで確かめたりと手の操作を覚えます。
4〜6ヶ月頃
首すわりが完成し、どんな姿勢でも頭がふらつかなくなります。発達が背中〜腰へと進み、胴体にも筋肉がついてきます。自分の足を持って遊んだり、足の指をしゃぶったりする姿は、寝返りに必要な体幹と下半身の筋力が育ってきたサインです。この時期に、寝返りへの準備がぐっと整います。
寝返りをしない・遅いときの練習方法

「同じ月齢の子が寝返りしているのに、うちの子はまだ…」と焦る気持ち、とてもよくわかります。でも、寝返りには個人差が大きく、練習は「やらせる」ものではなく「やりたくなる環境を整える」もの。赤ちゃんの「できた!」という気持ちを大切に、遊びの延長で無理なく取り組みましょう。体調や機嫌のよいときに、短時間から始めるのがコツです。
1. おもちゃで寝返りを誘う
「あれを触りたい」という好奇心は、寝返りの一番の原動力になります。お気に入りのおもちゃを上手に使いましょう。
- まずはあお向けの赤ちゃんの真上でおもちゃを振り、「手を伸ばせば届く」ことを体験させます。
- 次に、おもちゃを赤ちゃんの斜め上から床に向けてゆっくり動かし、手を伸ばした拍子に体が傾く動きを誘います。手が届くか届かないかギリギリの軌道が理想です。
- 左を通すときは左手が、右を通すときは右手が触れるように位置を調整します。
寝返りが完成しなくても、おもちゃに触れれば達成感が得られます。おもちゃを2〜3個用意しておくと遊びがスムーズです。おもちゃ選びのポイントは次の通り。
- 赤色や顔のパーツ(目・鼻・口)があると認識しやすい
- ラトルなど音が鳴るものは注意を引きやすい
- 胎内音に近いガサガサ音が鳴る素材も好まれる
2. プレ寝返り(補助つきの寝返り体験)
首がすわったら、ママ・パパが軽く補助して寝返りの動きを体験させる「プレ寝返り」がおすすめです。あお向けの赤ちゃんの片方の足を、反対側の足の外側へそっとまたがせるように倒すと、下半身のねじれをきっかけに体が自然と横向きに傾きます。無理に押さず、赤ちゃんが自分で「あと少し」を頑張れるところで手を止めるのがポイント。動きの反復が、寝返りの成功を引き寄せます。1日数回、機嫌のよいときに行いましょう。
3. うつぶせ遊び(タミータイム)
起きている間に、大人が見守りながらうつぶせにする「タミータイム」は、寝返りに欠かせない首・背中・腕の筋力を育てます。米国小児科学会(AAP)も、赤ちゃんが起きていて機嫌のよいときのうつぶせ遊びを推奨しています。最初は数十秒からで十分。目の高さで顔を見せたり、名前を呼んだりすると、赤ちゃんも頭を上げやすくなります。ただし、うつぶせ遊びは必ず大人が起きて見守っているときだけ行い、眠ってしまったらあお向けに戻しましょう。
寝返りが始まったら要注意!睡眠中の安全対策
寝返りは成長の証ですが、同時に睡眠中の安全対策を見直すタイミングでもあります。夜中に赤ちゃんが自分でうつぶせになってしまい、「このままで大丈夫かな」と心配になる親御さんはとても多いのです。ここは眠りの専門メディアとして、とくにお伝えしたい内容です。
基本はあお向けで寝かせる
厚生労働省は、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げるために、1歳になるまでは寝かせるときはあお向けにすることをすすめています(出典:厚生労働省「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」)。寝かしつけのときは必ずあお向けにしてあげましょう。
では、あお向けで寝かせたのに自分でうつぶせになってしまったら?——寝返りも寝返り返り(うつぶせからあお向けに戻る動き)も自分でできるようになっていれば、無理に何度も戻し続ける必要はないとされています。それでも心配なときは、次のポイントを押さえて寝室環境を整えることが大切です。
寝返り期に見直したい寝室の安全チェックリスト
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| マットレス・敷布団 | 顔が沈み込まない、かためのものを使う |
| 枕・クッション | 顔を覆う恐れのある柔らかいものは寝床に置かない |
| 掛け布団 | 顔にかかりにくいスリーパーへの切り替えがおすすめ |
| ぬいぐるみ・タオル | 寝ている間は寝床から取り除く |
| ベビーベッドの柵 | すき間や落下防止を確認する |
| 周囲 | ひも・コード・ビニールなどが手の届く範囲にないか確認 |
寝返りができるようになると行動範囲が一気に広がります。ベッドの上に置きっぱなしのタオルやスマホの充電コードなど、これまで気にならなかったものが危険になることも。寝返りが始まったら、赤ちゃんの目線・手の届く範囲で寝室を見直してみましょう。
掛け布団よりスリーパーが安心
寝返りをすると掛け布団がはだけたり、逆に顔にかかったりしがちです。夜中に布団を蹴ってしまい「寒くて起きて泣く」というお悩みも増える時期。そんなときは、着る毛布のようなスリーパーが便利です。寝返りをしても布団がずれる心配が減り、顔が覆われるリスクも下げられます。季節に合わせて素材(ガーゼ・キルト・フリースなど)を選ぶと、一年を通して快適に眠れます。
寝返りによる夜泣き・夜中の目覚めについて
寝返りを覚えたばかりの時期は、「寝ている間にうつぶせになって戻れず泣く」「新しい動きが気になって目が覚める」といった夜間の目覚めが一時的に増えることがあります。これは発達に伴う自然な現象で、生後4ヶ月前後の「睡眠退行」と重なることも。日中にたっぷり寝返りやうつぶせ遊びをして動きの練習をしておくと、夜間の「戻れない」ストレスが減りやすいと言われています。数週間で自分で戻れるようになり、少しずつ落ち着いていくことが多いので、あまり心配しすぎずに見守ってあげてくださいね。
寝返りが遅くても大丈夫。受診の目安は?
寝返りには本当に個人差があります。生後6〜7ヶ月を過ぎても寝返りをしない子もいますが、多くは問題ありません。特に、おすわりやはいはいなど別の発達が進んでいる場合は、寝返りを飛ばして進むこともあります。
ただし、次のような様子が続く場合は、乳幼児健診や小児科で一度相談してみると安心です。
- 首すわりがまだ完成していない(4ヶ月健診以降も)
- 手足の動きが極端に少ない、体がいつも突っ張っている、または極端にやわらかい
- 左右どちらかにばかり体が向き、反対側を全く使わない
- あやしても反応が乏しい
4ヶ月健診・10ヶ月健診などの機会に、気になることをメモして相談するのがおすすめです。自己判断で不安をふくらませるより、専門家に「大丈夫だよ」と言ってもらうだけで、ぐっと気持ちが軽くなりますよ。
まとめ:寝返りは成長の一歩。安全に見守って
寝返りは、赤ちゃんが足・腰・首・手を全身で連動させて完成させる、大きな成長のステップです。目安は生後5〜6ヶ月頃ですが、個人差が大きいので焦らなくて大丈夫。おもちゃで誘ったり、プレ寝返りやうつぶせ遊びを取り入れたりしながら、赤ちゃんの「やってみたい」気持ちを応援してあげましょう。
そして寝返りが始まったら、忘れずに見直したいのが睡眠中の安全です。あお向けで寝かせる、寝床に柔らかいものを置かない、スリーパーを活用するなど、寝室環境を整えて、赤ちゃんもママ・パパも安心して眠れる夜にしていきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。発達や体調に不安があるときは、かかりつけの小児科や健診でご相談ください。


